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雑誌目次

雑誌文献

総合診療27巻8号

2017年08月発行

雑誌目次

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する!

著者: 片岡仁美 ,   大塚文男

ページ範囲:P.1020 - P.1021

内分泌疾患患者に出逢うチャンスは少ないかもしれないが、日々の診療を行うなかで、内分泌疾患を診る機会は時にやってきます。そうした背景のなかで、病歴と診察から診断を絞り込み、過不足ない検査を行い、適切に専門医に紹介する、といったプロセスのすべてを、自信を持って行うのは、なかなか容易ではないことでしょう。
内分泌疾患は、臓器別のアプローチのみならず全身を診ること、また、病歴を詳細に聞きとることが重要であり、総合診療医の力量が大いに発揮される分野です。
本特集では、“日常臨床で出会う内分泌疾患をいかに想起し、適切に診断するか”という課題に対し、今日から使えるtipsを散りばめたケース・ディスカッションで、「このキーワード、この所見で診断する!」ことを学べる企画にしました。

今月の「めざせ! 総合診療専門医!」問題

ページ範囲:P.1088 - P.1091

本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

【総論】

日常診療で出会う内分泌疾患

著者: 大塚文男

ページ範囲:P.1022 - P.1024

 総合診療を訪れる患者さんは、さまざまな主訴をもっています。そしてそれは、発熱・関節痛・リンパ節腫脹などの「炎症・腫瘍性疾患」と、疲労感・体重変化・動悸・めまい・不眠などの不定愁訴を生ずる「内分泌代謝異常」に大別できます。
 内分泌専門医の視点で総合診療に目を向けると、実にさまざまな内分泌疾患が潜んでいる可能性に気づきます。全身倦怠感・食欲不振・動悸・脱力・浮腫など、原因となる臓器の判断が難しい症状が多く含まれるため、内分泌疾患の診断においては、臓器別アプローチでなく、全身を診る必要があること、病歴を単に聴くのみでなく、鍵となる病歴を「聴き出す」ことが重要です。
 つまり、総合診療の力量がまさに発揮される分野であり、内分泌診療と総合診療の接点は、かなり大きなものと言えます。
 総合診療に携わる先生のなかには、内分泌領域を得意とする方は案外少ないかもしれません。それぞれのホルモン作用と細かい調節の仕組みに親しくない、一般診療では遭遇しにくい、といった先入観によるのかもしれません。
 本特集では、そのような“内分泌アレルギー”の方にもホルモンが好きになる、目から鱗が落ちるような診断学を学んでいただきたいと考え、ジェネラルの視点を持った本分野のエキスパートを多数お招きして本特集を組みました。

【Case series 1 病歴と診察で突き止める!】

久々に会ったら顔立ちが変わっていた?

著者: 高野幸路

ページ範囲:P.1025 - P.1028

Case
患者:48歳、男性。
 久々に会った知人から「顔立ちが変わった」と指摘された。今年の健診で高血圧と耐糖能異常も指摘されている。そういえば夜、よく眠れていなくて、「ひどいいびきをかく」と家人にも言われている。何か病気になったのではないかと気になり近医を受診したところ、ホルモンの異常だといわれて専門医に紹介された。

ドキドキしすぎ?

著者: 水野朋子 ,   大野洋介 ,   田中祐司

ページ範囲:P.1029 - P.1031

Case
患者:26歳、女性、大学院生。
既往歴・家族歴:特になし。
生活歴:喫煙歴;5本/日×6年、飲酒歴;なし。
主訴:体重減少、動悸。
現病歴:3カ月前から、徐々に体重減少があった。10代からダイエットに何度か励んでいたが、体重が50kgを切ることはなかった。今回は食事制限せず、ダイエットをしていた自覚もなかったが、48kgまで低下した。半年ほど前から、食事を摂ると汗をかくようになった。最近、同居している家族から「首回りが太くなった」と指摘されるようになり、就寝中に胸がドキドキすることに気がつき、受診した。

認知症でしょうか?

著者: 橋本貢士

ページ範囲:P.1032 - P.1035

Case
患者:74歳、男性。
既往歴:高血圧症(4年前より)のため、カンデサルタン4mgを内服している。
家族歴:特記すべきことなし。
現病歴:約2年前から歩く速度が遅くなり、他人によく追い抜かれるようになった。ゴルフでも以前ほど飛距離が出なくなった。管理職であり、朝礼での挨拶の途中で声がかすれるようになった。また挨拶のなかで「何回か同じことを繰り返して言う」と周りから指摘されるようになったが、自分では全く身に覚えがなく、「そんなことはない」と声を荒げることが多くなった。また、言いたいことが思い出せないことが増え、会話に「あれ」「それ」を使うことが増えた。さらにここ数カ月前から顔がむくむようになり、全身倦怠感も強くなった。会社の健診で肝機能障害と高コレステロール血症を指摘され、当院を紹介受診した。
現症:意識清明。血圧131/72mmHg、脈拍数47回/分・整。両側の上眼瞼に黄色腫様の皮疹を認める。貧血なし。甲状腺腫は触知しない(七條分類0度)。胸部聴診上異常なし。肝臓を右肋弓下に1横指触知する。両側の前脛骨に陥没浮腫を軽度認める。徒手筋力検査では上下肢ともに異常なし。深部腱反射;アキレス腱反射に反応遅延あり。長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)20/30点。
初診時検査所見(カッコ内は基準値)
●血算:WBC 6,700/μL、RBC 507x104/μL、Hb 13.9g/dL、Plt 22.5x104/μL。
●生化学:Alb 4.5g/dL、Cr 1.38mg/dL、BUN 17mg/dL、Na 143mEq/L、K 4.5mEq/L、LDH 373IU/L(109〜210)、AST 75IU/L(13〜35)、ALT 68IU/L(8〜48)、γ-GTP 37IU/L(7〜60)、ALP 161IU/L(104〜338)、T-Bil 0.9mg/dL(0.3〜1.2)、CK 1,385IU/L(35〜175)、CRP定量0.03mg/dL(0.30以下)、TG 167mg/dL(26〜173)、LDL-Chol 186mg/dL(139以下)、Glu 94mg/dL、HbA1c 6.2%。
●胸部単純X線写真:心拡大なし。
●心電図:低電位を認める。

とにかくすごく疲れる!

著者: 池谷章 ,   沖隆

ページ範囲:P.1036 - P.1039

Case
鞍上部腫瘍により汎下垂体機能低下症を呈した1例
患者:57歳、女性。
主訴:全身倦怠感、食思不振。
現病歴:56歳時より微熱が持続し、朝起床しようとすると強い倦怠感を自覚するようになり、徐々に増悪していった。食思不振も出現し、3カ月間で5kgの体重減少を呈した。
 同時期より視野障害を自覚し、眼科を受診したところ両耳側半盲を認め、脳外科を紹介した。頭部MRIでトルコ鞍〜鞍上部にかけて進展す る腫瘤(図1)を認め、ホルモン評価目的で内分泌内科紹介となった。
検査所見:Na 131mEq/Lと軽度の低ナトリウム血症を認め、ホルモン基礎値ではACTH(副腎皮質刺激ホルモン)14.3pg/mL、コルチゾール 1.2μg/dL、TSH(甲状腺刺激ホルモン)2.26μU/mL、FT4(遊離サイロキシン) 0.5ng/dL、FT3(遊離トリヨードサイロニン) 2.7pg/mL、LH(黄体形成ホルモン)<0.2mIU/mL、FSH(卵胞刺激ホルモン)1.0mIU/mL、エストラジオール<10pg/mL、GH(成長ホルモン)<0.03ng/mL、IGF(インスリン様成長因子)-1 52(年齢別基準範囲;73〜207)ng/mL、PRL(プロラクチン)35ng/mLと、汎下垂体機能低下症の所見を認めた。
診断と治療:機能刺激検査を実施し、「視床下部障害型の汎下垂体前葉機能低下症」と診断し、ヒドロコルチゾン15mg/日内服開始したところ、倦怠感および食思不振は著明に改善を認め、1週間後よりレボチロキシン25μg/日内服を追加とし、待機的に手術予定となり退院した。

生理が不順で胸もおかしい?

著者: 西山充

ページ範囲:P.1040 - P.1043

Case
生理不順および乳汁漏出をきたした
若年女性
患者:25歳、女性。
既往歴:特になし。
家族歴:特になし。
現病歴:現在独身の会社員。これまで妊娠・出産歴なし。勤務先の健診を定期的に受けていたが、異常を指摘されたことはなかった。月経は毎月規則的に見られていたが、最近2カ月間隔になるなど、月経不順が出現した。また同時期より乳汁分泌が見られるようになった。妊娠の可能性はなく、何らかの疾患を疑って産婦人科医院を受診したところ、血清PRL(プロラクチン)400ng/mLと、著明高値を指摘された。月経不順・乳汁漏出・PRL上昇の精査のために、内分泌内科に転院となった。

急に喉がカラカラで!

著者: 宮田崇 ,   有馬寛

ページ範囲:P.1044 - P.1047

Case
患者:55歳、男性。
既往歴:特記事項なし。
内服:なし。
家族歴:特記事項なし。
現病歴:1カ月前から急に口渇・多飲・多尿を自覚するようになった。1日に10〜20回程度の排尿があり、1回当たりの排尿量は約200〜300mLと多い。就寝中にも尿意で目が覚め、夜間を通しても4〜5回の排尿が見られるようになり、その度に口渇感から飲水を行っている。就寝前に飲酒はしていない。排尿困難感や残尿感は見られない。体重はここ1カ月で2kg程度減った。多尿の精査目的で入院となった。
身体所見:血圧121/74mmHg、脈拍数95回/分、体温36.8℃。入院後の1日尿量約7〜8L。1日飲水量約5〜6L。口腔内乾燥あり。
検査所見
●血液検査:TP 8.0g/dL、UA 7.8mg/dL、BUN 18mg/dL、Cr 0.86mg/dL、Na 145mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 106mEq/L、Ca 9.9mg/dL、P 3.1mg/dL、Glu 104mg/dL、HbA1c 5.4%、血清浸透圧298mOsm/kg H2O。
●尿定性:尿糖(-)、尿蛋白(-)、尿潜血(-)、比重1.003、尿浸透圧93mOsm/kg H2O。

【Case series 2 ロジカルに迫り確定診断を導く!】

高血圧+低K血症

著者: 岡本将英 ,   柴田洋孝

ページ範囲:P.1048 - P.1051

Case
心電図異常と低K血症を認めた高血圧症の1例
患者:55歳、男性。
既往歴:高血圧。
内服薬:なし(漢方薬、サプリメントもなし)。
現病歴:数年前から健康診断で高血圧を指摘されていたが、病院受診はしなかった。最近頭痛があり、内科を受診したところ、血圧が 210/110mmHgと高値であった。また心電図上T波の平低化、U波の増高が認められ、血液検査では血清K値が2.4mEq/Lと低値であった。「二次性高血圧」の疑いで同日行われたホルモン検査では、血漿アルドステロン濃度(PAC)27.4ng/dL、血漿レニン活性(PRA)0.2 ng/mL/h、アルドステロン・レニン比(ARR)137と、原発性アルドステロン症(PA)スクリーニングが「陽性」となり、当科紹介入院となった(その他のホルモンは異常なし)。入院後、機能確認検査を行ったところ、カプトプリル刺激試験・経口食塩負荷試験が「陽性」となったため「原発性アルドステロン症」の診断となった。腹部単純CTでは左副腎に10mm大の腺腫が認められた(図1)。本人に手術希望があったため、副腎静脈サンプリング(AVS)が施行され、左副腎からアルドステロンが過剰分泌されていることが判明した。後日、泌尿器科で腹腔鏡下左副腎摘出術が施行され、術後、血圧と血清K値は正常化した。

発作性高血圧+発汗異常

著者: 田辺晶代

ページ範囲:P.1052 - P.1055

Case
患者:52歳、女性。
主訴:発作的に生じる動悸・頭痛・発汗過多。
家族歴:特記事項なし。
既往歴:特記事項なし。
月経歴:初経12歳、以後順調、51歳で閉経。
現病歴:48歳の健診で高血圧を指摘され、降圧薬内服下で血圧130/80mmHg、脈拍数80回/分台であった。同時期から月に数回の頻度で上記の症状が出現し、その際の血圧は150/90mmHgであった。症状は30分程度で消失し、更年期症状あるいはパニック障害として漢方薬を処方されたが、無効であった。1カ月前に腸炎を発症し、その際の腹部エコーで径3cmの左副腎腫瘍を指摘された。血中・尿中カテコールアミン値および尿中メタネフリン分画値が高値であり、「褐色細胞腫」と診断され、腹腔鏡下左副腎摘出術を受けた。術後はカテコールアミン値が正常化し、降圧薬を中止したが、血圧110/60mmHg、脈拍数60回/分であった。

肥満+糖尿病

著者: 方波見卓行 ,   山本雄太郎 ,   松原史明

ページ範囲:P.1056 - P.1060

Case
出産後も高血圧、妊娠線が持続した30代の女性
患者:30代、女性。
家族歴・既往歴:特記すべき異常なし。
現病歴:妊娠34週から高血圧と妊娠線(赤色)を指摘された。産後もこれらに改善がなく、出産後10カ月目に紹介受診。
身体所見:身長158cm、体重56kg、BMI 22.4 kg/m2。血圧158/98mmHg、腹囲90cm。腹部に妊娠線類似の皮膚所見を複数認めたが、いずれも赤紫色。
紹介医での採血結果:随時血糖77mg/dL、Na 145mEq/L、K 4.1mEq/L。
赤色皮膚線条を除き、特徴的Cushingoidに乏しい症例だが、所見の特異性からCushing症候群(CS)の精査を開始。「副腎性CS」と診断後、腹腔鏡下に患側副腎全摘し、症状は消失。

下垂体疾患+脂肪肝・NASH

著者: 高橋裕

ページ範囲:P.1061 - P.1064

Case
成人GH(成長ホルモン)分泌不全症にNASHを合併した1例
症例:31歳、男性。
主訴:肝障害、脂質異常症。
既往歴:小児期に低身長をきっかけに「下垂体茎断裂症候群による汎下垂体機能低下症」と診断され、副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモンとともに、低身長に対するGH補充療法を受けていた。思春期からは性腺補充療法も追加されたが、18歳で成人身長に達したためGH補充療法は中止されていた。
生活歴:アルコール摂取歴;機会飲酒少量。
現病歴:20歳前後より軽度の肝障害と脂質異常症(時に1,000mg/dLを超える高中性脂肪血症)が次第に増悪し、精査のため31歳時に当科を紹介された。
初診時身体所見:身長165cm、体重60kg、BMI 22.0。頭頸部異常なし、胸部異常なし、肝脾腫大・圧痛なし、浮腫・皮疹なし。
一般検査所見:WBC 6,700/μL、RBC 458×104/μL、Hb 14.2g/dL、Plt 28×104/μL、T-Bil 0.8mg/dL、AST 88IU/L、ALT 85IU/L、γGTP 76IU/L、ChE 543IU/L。
空腹時血糖93mg/dL、空腹時インスリン15IU/mL、HbA1c 5.7%。LDL-C143mg/dL、HDL-C 31mg/dL、TG 712mg/dL。HBsAg(-)、HBcAb(-)、HBsAb(-)、HCVAb(-)。抗核抗体(-)、抗平滑筋抗体(-)、ミトコンドリア抗体(-)。
腹部超音波検査:肝腎コントラスト陽性。
腹部CT:肝実質CT値低下、内臓脂肪面積131.6cm2
下垂体MRI:下垂体前葉の萎縮、下垂体茎の狭小化、異所性後葉。
内分泌学的検査所見:
[下垂体前葉ホルモン基礎値]
GH 0.2ng/mL、IGF-I 17ng/mL、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン) 3.5 pg/mL、コルチゾール0.8μg/dL、PRL(プロラクチン) 5.4 ng/mL、TSH(甲状腺ホルモン) 0.23IU/L、FT4(遊離サイロキシン)1.08ng/mL(レボチロキシンNa 125μg服用中)、LH (黄体形成ホルモン)0.8IU/L、FSH(卵胞刺激ホルモン) 1.3IU/L、テストステロン4.8ng/mL(hCG、遺伝子組み換えFSHにより治療中)
[下垂体前葉負荷試験]
インスリン低血糖試験:GH基礎値0.2ng/mL、頂値0.5ng/mL、ACTH基礎値2.6pg/mL、頂値3.4pg/mL、コルチゾール基礎値 0.3μg/dL、頂値 1.8μg/dL。
GHRP-2試験:GH基礎値0.3ng/mL、頂値 1.4ng/mL。
TRH試験:TSH基礎値0.03IU/L、頂値 0.87IU/L、PRL基礎値 6.3ng/mL、頂値12.9ng/mL。
LHRH試験:LH基礎値1.2IU/L、頂値1.8IU/L、FSH基礎値0.6IU/L、頂値1.4IU/L。
内服薬:ハイドロコーチゾン15mg分2、レボチロキシンNa 125μg分1。
自己注射:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン5,000単位週2回、遺伝子組み換えFSH 150単位週2回。
肝生検所見:大脂肪滴が約40%に沈着している。門脈域には線維性拡大とリンパ球浸潤、実質内にも軽度の炎症反応、好中球浸潤を認める。Pericellular fibrosis、ballooningを認めた。病理学的に「非アルコール性脂肪肝炎」(non-alcoholic steatohepatitis : NASH G1)と診断。
▶肝生検にて「NASH」と診断され、成人GH分泌不全症によるものと考えられたため、GH補充療法を施行し、肝機能、組織所見ともに改善を認めた。

尿路結石+高Ca血症

著者: 野津雅和 ,   山内美香 ,   杉本利嗣

ページ範囲:P.1065 - P.1067

Case
尿路結石が発見契機となった原発性副甲状腺機能亢進症の1例
患者:55歳、女性。
既往歴:53歳時に転倒し、左橈骨遠位端骨折。
現病歴:数週間前より背部に鈍痛を自覚することがあった。早朝に突然強い背部痛が出現し、悶絶していたため、家族から救急車を要請され救急外来に搬送された。受診時の尿検査にて尿潜血(3+)、生化学検査にてCa 10.9mg/dLと高値であった。鎮痛薬の投与により背部痛が改善後、腹部エコーを行ったところ、左腎盂の拡張を認めた。腹部単純X線検査をしたところ、左尿管に結石を疑う陰影を認めた。再診時の検査にて、尿中Ca/尿中Cr 0.38と、高Ca尿症を認め、血清Ca 11.2mg/dLに対しintact PTH(副甲状腺ホルモン)263pg/mLと高値であり、「原発性副甲状腺機能亢進症」(primary hyperparathyroidism:pHPT)と診断された。

肥満+多毛

著者: 柳瀬敏彦

ページ範囲:P.1068 - P.1071

Case
肥満・無月経・多毛症を主訴に来院した若年女性
患者:16 歳、女性。
主訴:無月経と多毛症。
家族歴・生活歴:特記事項なし。
現病歴:幼少時より肥満傾向を認めた。12歳時に月経様の出血を認めたが、以後は無月経であった。12歳頃より10kgの体重増加を認め、多毛および声の低音化が目立つようになった。精査目的で入院。
身体所見:身長161cm、体重88kg(BMI=34kg/m2)、血圧130/78mmHg、脈拍数80回/分。口唇周囲・下顎・下腹部・四肢に剛毛を認める。顔面に面皰あり。両側腋窩に黒色表皮腫 G2 あり。乳房発育は良好。神経学的異常なし。
内分泌学的検査:ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)41.9pg/mL、GH(成長ホルモン)1.10ng/mL、PRL(プロラクチン)8.9ng/mL、LH(黄体形成ホルモン)7.0mIU/mL、FSH(卵胞刺激ホルモン)8.2mIU/mL、FT4(遊離サイロキシン)1.59ng/dL、コルチゾール15.3μg/dL、DHEA-S(dehydroepiandrosterone sulfate)372μg/dL(68〜300)、テストステロン1.01ng/mL(0.6〜0.9)、遊離テストステロン4.0pg/mL(<2.7)、E2(エラストラジオール) 38.5pg/mL。

【スペシャル・アーティクル】

小児における内分泌疾患—成長障害をきたす小児の診かた

著者: 原田大輔 ,   難波範行

ページ範囲:P.1072 - P.1076

Case1
感染症治療時に偶然発見された成長ホルモン分泌不全性低身長症の1例
患者:7歳1カ月、男児。
出生歴:在胎38週1日、自然頭囲分娩で仮死なく出生。出生体重2,798kg(-0.07 SD)、出生身長46.6cm(-0.79 SD)、頭囲32.5cm(-0.39 SD)。母乳栄養。遷延黄疸なし。
家族歴:慢性疾患の家族歴なし。母;身長155cm、初潮13歳。父;身長170cm、成長スパート12歳。
生活歴:7時起床、21時就寝。偏食なし。
現病歴:生来健康。低身長を気にしていたが、受診はしていない。今回、マイコプラズマ肺炎で入院した際に低身長に気づかれた。身長106.8cm(-2.61 SD)、体重20.4kg(-0.61 SD)、arm span 105.0cm。精巣2mL。成長曲線を示す(図1a)。骨年齢5歳7カ月、IGF-I(Insulin-like growth factor I)68 ng/mL(-1.85 SD)。後日行った成長ホルモン分泌刺激試験の結果、「成長ホルモン分泌不全性低身長症」と診断した。

【コラム Endocrinology in Generalist Medicine】

低血糖のハンドリングは?

著者: 泉山肇

ページ範囲:P.1077 - P.1077

 「低血糖症」とは、血糖値60〜70mg/dL未満に加え、交感神経刺激症状(発汗・不安・動悸・手指振戦など)あるいは中枢神経症状(頭痛・空腹感・目のかすみ・眠気・痙攣)が存在する状態、と定義される。原因としては、❶薬剤性、❷腫瘍(含:過形成)、❸反応性、❹インスリンに対する抗体、❺インスリン拮抗ホルモン低下、❻糖新生の抑制あるいは低下、❼詐病が挙げられる。原因が多岐にわたるため、十分な鑑別が必要となる。意識障害患者を診察する際、脳血管疾患や心疾患のみならず、低血糖症の存在を考えることが重要である。糖尿病薬、あるいは低血糖を起こす可能性のある薬剤(表1)の内服の有無、胃切除術施行の有無、インスリン自己抗体あるいはインスリン抗体の有無、糖質コルチコイド・成長ホルモン・グルカゴン・カテコラミンなどの低下の有無、肝機能低下あるいはアルコール多飲の有無を確認し、腫瘍性が強く疑われ膵外腫瘍の存在が否定された場合、「インスリノーマ」の可能性が強く、72時間絶食試験を検討する。これは低血糖が生じない場合3日間絶食となるきわめて侵襲の強い検査であり、十分に鑑別をしたうえで施行することが望ましい。インスリノーマは99%膵内に存在するため、選択的動脈カルシウム刺激試験(SACI test)を施行し、腫瘍の局在診断を行う。腫瘍が確認できないにもかかわらずSACI testが陽性となる場合、「成人型nesidioblastosis」の鑑別が必要となる。

低Na血症がわかったら?

著者: 清水力

ページ範囲:P.1078 - P.1078

 「低Na血症」は、実地診療で遭遇する、頻度の高い電解質異常である。中年期までに認める低Na血症については、内分泌疾患を含め何らかの基礎疾患を有することが多い印象を受けるが、高齢者における低Na血症については、遭遇頻度が高く、特に無症状で低Na血症の程度も軽度の場合、原因追求がなされず、経過観察される場合が多いのではないだろうか。低Na血症の鑑別についてはさまざまなアプローチがなされているが、これまで低Na血症に関するガイドラインが存在しなかったことも1つの理由として考えられる。
 最近、欧州内分泌学会(European Society of Endocrinology)、救急医学会(European Society of Intensive Care Medicine)、腎臓・透析・移植学会(European Renal Association─European Dialysis and Transplant Association)から、合同で低Na血症についての診断と治療に関するガイドラインが発表されたので1)、その鑑別について今一度振り返ってみる。

低リン血症を見つけたら

著者: 福本誠二

ページ範囲:P.1079 - P.1079

 リンは、骨や歯、細胞膜や核酸、あるいは各種細胞内リン酸化物質の構成成分として、生体内で必須の役割を果たしている。生体内のリンの約85%は骨に、約15%は細胞内に存在し、細胞外のリンは体内のリンの1%以下に過ぎない。しかし、慢性の低リン血症は、骨石灰化障害を特徴とするくる病や骨軟化症の原因となる。逆に高リン血症は、異所性石灰化を惹起する。したがって生体には、血中リン濃度を一定の範囲に維持する機構が存在するはずである。
 血中リン濃度は、腸管からのリン吸収、腎臓からのリン排泄、および骨や細胞内のリンとの移動により調節されている。したがって低リン血症は、腸管からのリン吸収の低下、尿中へのリン排泄の促進、あるいは骨や細胞内へのリンの移動により惹起される(表1)。このうち腸管リン吸収は、1,25-水酸化ビタミンDにより促進される。したがって摂取不足や吸収不良症候群などに加え、ビタミンD作用障害によっても低リン血症が惹起される。

薬かもしれない、低K血症

著者: 宗友厚

ページ範囲:P.1080 - P.1080

 患者は「手足に力が入りにくい」との訴えで受診されたが、血圧が高く、血液生化学検査で低K血症が判明、「ひょっとして原発性アルドステロン症か?」と思って調べるも、確かに血漿レニン活性は低いが、血中アルドステロンも低値で、腹部CTで副腎腫瘍は見当たらない。よくよく聞いてみると、他病院で肝疾患の治療中であったり、漢方薬を飲んでいることが判明し、「なるほど!」と思い至った経験はないだろうか?
 慢性肝疾患で強力ネオミノファーゲンC®を投与されている、あるいは甘草を含む漢方薬を内服している患者に、ミネラロコルチコイド(以下MC)過剰症状が見られることがあり、主成分であるグリチルリチン酸が原因を担っている。グリチルリチン酸は、欧米では菓子類の甘味料として汎用され、習慣摂取により高血圧、低K血症などMC過剰症状をきたすことが、すでに1940年代に報告されている。症状としては高血圧と低K血症に加え、筋力低下、筋肉痛、不整脈を認める。当初グリチルリチン酸自体がMC作用を持つために低レニン、低アルドステロン血症を呈すると考えられ、「偽性アルドステロン症」と命名された。その後血中、尿中のコルチゾール/コーチゾン比が増加していること、スピロノラクトンにより改善することから、腎臓における11β-水酸化ステロイド脱水素酵素(以下11βHSD)活性の低下によると考えられるようになる1)

そのACTHは、本当に下垂体から?

著者: 蔭山和則

ページ範囲:P.1081 - P.1081

 「Cushing症候群」が疑われて、正常内〜高値の血中コルチゾール値、または尿中遊離コルチゾール値を認め、血中ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が高値であった時、そのACTHは下垂体由来から、さらに下垂体腫瘍からの過剰分泌が原因と言えるでしょうか?
 ACTH依存性Cushing症候群は、続発性副腎皮質機能亢進症であり、ACTH依存性Cushing症候群は、ACTHの由来によって下垂体腫瘍からACTHが過剰分泌されるCushing病と、下垂体外の腫瘍組織からACTHが過剰産生される異所性ACTH症候群に分けられます。稀に異所性CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)産生腫瘍も存在します。抑うつ状態やアルコール常飲者などでは、ACTH、コルチゾールが高値であり、「偽性Cushing症候群」と言われ、ACTH依存性Cushing症候群と紛らわしいことがあります。

甲状腺クリーゼを疑う時は?

著者: 井町仁美 ,   村尾孝児

ページ範囲:P.1082 - P.1082

◦「甲状腺クリーゼ」とは
 「甲状腺クリーゼ」とは、内分泌領域における救急疾患で、「甲状腺中毒症の原因となる未治療ないしコントロール不良の甲状腺基礎疾患が存在し、これに何らかの強いストレスが加わった時に、甲状腺ホルモン作用過剰に対する生体の代償機構の破綻により複数臓器が機能不全に陥った結果、生命の危機に直面した緊急治療を要する病態」1)とあります。

副腎不全を疑う時は?

著者: 大月道夫

ページ範囲:P.1083 - P.1083

 「副腎不全」は、原因病変の部位により、原発性と続発性に分類される。原発性は副腎に病変があり、コルチゾール、アルドステロン、副腎アンドロゲンの欠乏を、続発性は視床下部または下垂体病変によるcorticotropin-releasing hormone(CRH)、adrenocorticotropic hormone(ACTH)の合成分泌低下により、副腎からのコルチゾール、副腎アンドロゲンの欠乏をきたすものである。つまり、原発性にのみアルドステロン欠乏症状である高K血症、コルチゾール欠乏によるネガティブフィードバックに伴うACTH過剰症状である色素沈着を認める1)
 副腎不全の症状としては、易疲労感、脱力感、消化器症状(食欲不振・悪心・嘔吐・便秘・下痢・腹痛など)、体重減少、血圧低下など、副腎不全に特徴的でないことが多く、上記症状の鑑別診断として、副腎不全を常に念頭に置く必要がある1)。近年、免疫チェックポイント阻害薬が続発性副腎不全を引き起こすことが報告されており、食欲不振、体重減少などの症状はがん進行の症状と重なるために、特に注意が必要である2)

下垂体刺激試験の必要性は?

著者: 岩﨑泰正

ページ範囲:P.1084 - P.1084

 下垂体の検査といえば「負荷試験(刺激試験)」という言葉が思い浮かぶほど、下垂体刺激試験の意義と重要性はよく知られている。しかしそもそも、なぜ刺激試験が必要なのであろうか?
 本来、下垂体前葉は予備力の大きな臓器で、ホルモンの種類により、必要に応じて基礎分泌の10倍から100倍以上のホルモンを分泌可能である。しかし、障害を受けた際はこの予備力が低下し、結果的にストレスなど、周囲環境から受ける負荷に対する分泌応答の適応力が低下する。したがって下垂体機能障害が疑われる場合は、ホルモン基礎値だけでなく、分泌予備能も評価しておかなければならない。これは、個人の資産を評価する際に、お財布の中だけでなく、貯金通帳の預金額もチェックしなければならないのと同じでことある。

ひょっとしたらMEN?

著者: 森田浩之

ページ範囲:P.1085 - P.1085

 「MEN」とは、multiple endocrine neoplasia(多発性内分泌腫瘍症)の略称で、複数の内分泌臓器に良性、もしくは悪性の腫瘍が多発する症候群である。1型(MEN1)と2型(MEN2)があり、両型とも常染色体優性遺伝をし、MEN1は腫瘍抑制遺伝子MEN1の、MEN2はがん原遺伝子RETの変異に起因している。それぞれ特徴的な3種類の腫瘍の組み合わせで構成されており、MEN1では副甲状腺機能亢進症、膵消化管内分泌腫瘍(ガストリノーマ、インスリノーマなど)、下垂体腺腫(プロラクチノーマ、先端巨大症など)、MEN2では甲状腺髄様がん、副腎褐色細胞腫、副甲状腺機能亢進症である。
 これらの腫瘍は異時性に発生するため、必ずしも同時に存在しない。また、発生頻度も腫瘍によって大きく異なっている。MEN1では図1のように年齢的に副甲状腺機能亢進症から発症することが多く、しばらくしてから膵消化管内分泌腫瘍もしくは下垂体腺腫が発症し、その時点で「MEN1」と診断できるようになる。MENの診断には、3種類の腫瘍うちの2種類が存在するか、MENと診断された近親者がいる場合では3種類のうちの1種類が存在すればよい。また、1つの臓器に同じ腫瘍が多中心性に複数認められることも多い。

男性更年期って?

著者: 永井敦

ページ範囲:P.1086 - P.1086

 厚労省の健康日本211)によれば、人が生まれてから死ぬまでの生涯を、「幼年期」「少年期」「青年期」「壮年期」「中年期」「高年期」の6段階に大別しています。壮年期は「働く」時期、中年期が「熟す」時期、そして高年期は「稔る」時期と解説されています。
 では、「男性更年期」とはいつの段階のことを指すのでしょうか? 厚労省は壮年を「31〜45歳」と定義しており、更年期とは概ね、壮年期から中年期に差し掛かる年齢を指しているようです。臨床的には男性更年期が始まる時期は、個人差もあるので、概ね40〜50歳と考えてよいでしょう。

甲状腺疾患の人が妊娠したら

著者: 横田敏彦

ページ範囲:P.1087 - P.1087

 胎児の甲状腺が形成されホルモン分泌が始まるのは、妊娠8〜10週で、妊娠初期から出産直前まで、胎児の成長には母親由来のサイロキシン(T4)が重要です。妊娠中のT4需要は約30〜50%増加します。1999年の海外報告で、妊娠中の母親が潜在性甲状腺機能低下症(Free T4は正常域、TSH のみ軽度高値)であると、小児期の精神発達に悪影響が見られたと発表されました1)。さらに流産率や妊娠合併症についても解析が行われた結果、妊娠中や計画妊娠を目指す女性では、Free T4が正常域でもTSH(甲状腺刺激ホルモン) 2.5μU/mL以上であれば、直ちにチラーヂンS®(L-T4)補充開始が推奨されています2)。また、橋本病(抗Tg抗体、抗TPO抗体のいずれか陽性)は、若年女性でも5〜10%程度と比較的高頻度の疾患であり、妊娠経過中に潜在性甲状腺機能低下症をきたす可能性があります。L-T4補充療法中や橋本病の妊婦は、1〜2カ月ごとに甲状腺機能検査を行い、TSH 2.5μU/mL未満を目安に、補充量を調節します。出産後は妊娠前の状況に準じますが、出産後3カ月頃に無痛性甲状腺炎を発症することがあります。
 次に、妊娠中の甲状腺中毒症(甲状腺機能亢進症)は母児双方に有害であり、可能な限り甲状腺機能を正常に保つことが求められます。バセドウ病と他疾患との鑑別が重要で、バセドウ病の診断にはTRAb陽性、超音波検査での甲状腺内の血流増加所見が有用です。バセドウ病の治療に用いる抗甲状腺薬には、MMI(メルカゾール®)とPTU(プロパジール®、チウラジール®)があります。MMIが有効性と安全性から第1選択であり、一方、PTUは重症肝障害やANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody)関連血管炎など重篤な副作用が多いことから、長期大量投与は控え、限定使用にとどめたほうが無難です。ところが、妊娠初期にMMIを内服した母親から、先天奇形が相対的に多いことが本邦の疫学調査で確認されました3)。妊娠5〜9週は臍帯や消化管系の奇形が多く、妊娠10〜15週には軽症ではありますが、頭皮欠損症が報告されています4)。そのため、妊娠5〜9週(可能なら〜15週)の器官形成期は、MMI内服を避けるよう工夫し、必要であればPTUあるいはKI(ヨウ化カリウム丸®)への変更で対応します。MMI投与中の女性には妊娠判明時に速やかな休薬を指示し、早期受診を勧めます。必要な症例には予めKIを処方しておきます。

ゲストライブ〜Improvisation〜・6

総合診療医のキャリアパス

著者: 大塚文男 ,   片岡仁美

ページ範囲:P.1002 - P.1010

 紆余曲折はあるものの、19番目の基本領域専門医として、2018年から「総合診療専門医」の養成が予定されている。今後、総合診療医の数はさらに増加していくであろう。
 「ジェネラルに診る医師」を総合診療医と呼ぶならば、病院や地域のクリニック等、その活躍の場は実に幅広い。また、スペシャリストからジェネラリストへの転身や、地域での開業などは何歳になっても可能であり、選択の自由度も大きいことがこの職種の特徴であろう。
 総合診療医としてのキャリアパスは、今後さらにバラエティに富んだものになることが予想される。
 さて、「私はどんな道を歩もうか?」
 今回、ゲストエディターとして本特集を企画された大塚文男氏と片岡仁美氏に、自身が歩まれたキャリアパスをお聞かせいただくとともに、女性医師の「総合診療」分野への復職について、また「総合医か?専門医か?」について語っていただいた。

What's your diagnosis?[176]

ローマのエクレア

著者: 海透修子 ,   後藤雅史 ,   井口美季子 ,   奥野芳章 ,   小山弘

ページ範囲:P.1014 - P.1018

病歴
症例:80代、女性。京都出身。
主訴:全身倦怠感と食欲不振。
現病歴:ADL自立の高齢女性。自宅の3階で生活し、その年のクリスマスもひ孫たちと楽しく過ごしていた。しかしクリスマスの後から、誘因なく突然、全身倦怠感や四肢の脱力感を認めるようになった。すぐに良くなるだろうと様子を見ていたが改善なく、次第に食事も摂れなくなってきたため、年末に救急外来を受診、軽度の脱水を指摘され点滴を受けて帰宅したものの、その後も症状が続き、年明けに総合内科外来を受診した。
既往歴:関節リウマチ(RA)にて近医整形外科通院中。高血圧症。
内服薬:コニール®(4mg)1錠、ディオバン®(80mg)1錠、シンバスタチン®(5mg)1錠、レリフェン®(400mg)1錠、リウマトレックス®(2mg)2錠/週、フォサマック®(35mg)1錠/週。

Editorial

「Endocrinology in Generalist Medicine」の世界へ、ようこそ!

著者: 片岡仁美 ,   大塚文男

ページ範囲:P.1019 - P.1019

「医療面接で8割の診断がつく」という文言を聞いたことがある方は多いだろう。現実には、医療面接のみならず、身体診察、検査を適切に組み合わせて確定診断に辿り着く訳であるが、医療面接の重要性には変わりはない。
 私が学生実習で初めて医療面接をさせていただいた患者さんは、「甲状腺機能低下症」の方であった。主訴は「倦怠感・寒がり」だったが、上記の疾患を想起したため、教科書に書いてある症状を順に質問したところ、すべて「あります」と言われ、非常に感動したことを覚えている。このように、医療面接の威力を実感したのはそれが内分泌疾患という、医師の聴く力が最も発揮されるような疾患であったのが一因であろう。

西伊豆発!画像読影道場|これくらい読めてもいいんでナイカイ?・8

“大腿骨骨折音頭”を踊ってみよう♪—股関節のX線の読み方1

著者: 仲田和正

ページ範囲:P.1093 - P.1097

 冒頭のX線写真の診断は、「大腿骨頸部骨折(Garden1型)」です。これが、一番よく見逃される大腿骨頸部骨折です。骨折線がよく見えず、転位が少ないので、正常と見誤りやすいのです。
 大腿骨近位部骨折は、特に発語ができないような高齢者で見過ごします。寝たきりの高齢者で突然38℃くらいの発熱が2〜3日起こった場合、大腿骨近位部骨折の可能性があります。おむつ交換で股関節を開いた程度の外力でも、骨折は起こるのです。私たちも、この程度の外力で骨が折れるとは考えもしませんから、大腿骨近位部骨折など思いつかないのです。私自身、1週間ほど経ってやっと診断できたことが数回ありました。そこで今回は、股関節の「骨折」にまつわるX線の読み方を伝授します。

オール沖縄!カンファレンス・8

入院中にめまい・嘔吐を繰り返した症例

著者: 上原圭太 ,   知花なおみ ,   宮良忠 ,   徳田安春

ページ範囲:P.1098 - P.1102

CASE
患者:67歳、男性。
既往歴:高血圧症(3年前〜)。65歳;めまい症(耳鼻科で「三半規管のせい」と言われた)。
家族歴:特記事項なし。
生活歴:喫煙歴・飲酒歴なし。元クレーンの運転手で現在は無職。
内服薬:エナラプリル10mg 1錠、アスピリン100mg 1錠。
現病歴:1週間前から続く腰部痛を主訴に外来を受診され、眠れないほど増悪しているということで、精査目的で入院となった。入院時に施行した造影CT検査にて、腸腰筋膿瘍と椎体炎を示唆する所見がみられ、MRI検査でも化膿性脊椎炎の所見が確認されたため、抗菌薬セフトリアキソン2g/日とクリンダマイシン1.8g/日の点滴静注で治療を開始した。入院第5病日に血液培養よりBacteroides vulgatusが分離されたため、同日よりメトロニダゾール1.5g/日とセフトリアキソン2g/日の点滴静注へ変更した。Bacteroides vulgatusが分離されたことから、下部消化管内視鏡検査を施行したが、原因となる所見を認めず、糞線虫も陰性であった。入院第26病日に、心房細動による動悸が一過性にみられた。入院第33病日に浮動性めまい・悪心・嘔吐がみられるようになり、症状が増悪し、食事がほとんど摂れない状態となった。

I LOVE Urinalysis|シンプルだけどディープな尿検査の世界・5

血尿の4大原因とは?

著者: 上田剛士

ページ範囲:P.1103 - P.1107

Case
患者:74歳、男性。
主訴:血尿。
現病歴:特に誘因なく、昨日から肉眼的血尿が出現した。発熱・腰背部痛・頻尿・残尿感・排尿時痛はない。今まで血尿を指摘されたことはない。心房細動があり、抗凝固療法を受けている。
喫煙歴:20本/日×54年。
        尿定性
比重      1.018
pH       8.0
蛋白      ±
糖       ‐
ケトン体    ‐
潜血      3+
ウロビリノゲン 正常
ビリルビン   ‐
白血球     ‐
亜硝酸塩    ‐
赤血球     >100個/HPF

診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・5

腹部大動脈瘤を疑った時

著者: 亀田徹

ページ範囲:P.1108 - P.1114

はじめに
ウィリアム・ オスラーと腹部大動脈瘤
 腹部大動脈瘤のリスク因子には、「65歳以上」「男性」「高血圧」「喫煙歴」などがあります1)。病歴聴取後には念頭になくても、拍動性の腫瘤を触知し「おおっ!」というケースから、突然発症の腰背部痛でショックを伴い「急げー!」といったケースまで、腹部大動脈瘤(破裂)は、われわれの前に突然姿を現します。症状が乏しく身体所見がはっきりしないことがあり、疑ってかかるか、リスク因子に基づいてスクリーニングをしなければ発見できないケースもあります。現在本誌では、「こんなときオスラー/超訳『平静の心』」が連載されていますが(p.1134)、そのオスラーは“There is no disease more conducive to clinical humility than aneurysm of the aorta.”と述べています。この言葉は100年以上前から伝えられていますが、現在の医療現場にも当てはまります(日々の診療の糧になる「こんなときオスラー」連載は、毎月欠かさず拝読しています!)。
 CT全盛の時代にあって、急性期の場面では、「腹部大動脈の評価と言えば、エコーじゃなくてCTに決まっているでしょ」とお考えの方は少なくないと思います。もちろん、腹部大動脈瘤診断のゴールドスタンダードはCTであり、確実な診断と性状評価には不可欠です。しかし、うまく診療に超音波を組み込むことで、腹部大動脈瘤の診療の質向上に寄与できると考えられます。後述しますが、Point-of-Care超音波による腹部大動脈瘤の診断精度は非常に高いことが明らかになっています2)。超音波の専門家ではなくても一定のトレーニングを積めば、存在診断、除外診断が十分可能です2)。ショック・バイタルでCT室への移動が困難な場合の迅速な臨床決断のために、また病歴と身体所見を補う早期確定診断の手段として、超音波の有用性は注目されています。また医療経済的効果の観点に立ち、リスク因子のある方を対象とした超音波による腹部大動脈瘤のスクリーニングも行われるようになっています3)
 本稿では、急性期診療における腹部大動脈瘤の診断を中心に述べますが、スクリーニングとしてのエビデンスや大動脈解離についても取り上げます。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年7月31日まで)。

みるトレ Special・8

春から初夏にかけての呼吸器感染症アウトブレイク?

著者: 笠原敬

ページ範囲:P.1115 - P.1118

CASE 8
患者:70歳代、男性。
主訴:咽頭痛、鼻汁、咳嗽、喀痰、発熱、呼吸困難。
現病歴:2月下旬に脳梗塞を発症し、3月下旬にリハビリテーション目的に介護老人保健施設に転所した。4月30日から咽頭痛と鼻汁とが出現し、5月2日から発熱が出現した。施設のかかりつけ医を受診し、クラリスロマイシンが投与されたが本日になっても症状が改善せず、呼吸困難も出現したため5月5日に当院を受診した。なお、同じ施設では、この1週間くらいで、職員および入所者約20名が同様の症状を呈している。多くはすでに解熱し改善傾向にあるそうだが、強い咳嗽がしつこく残っている者が数人いるらしい。
身体所見:体温38.2℃、呼吸数18回/分、SpO2 92%(室内気)。右中下肺野でcoarse cracklesを聴取する。
検査:血液検査;WBC 11,000/μL(Stab 9%、Seg 54%、Lym 19%、Mono 18%)、CRP 12.1mg/dL。
胸部単純X線写真(ポータブル)(図1)、胸部単純CT写真(図2)を示す。

苦手克服|野獣のリアル勉強法・8

「私と推論」—不明熱・不定愁訴のような診断の難しい症状・疾患をどう診断しているか

著者: 國松淳和

ページ範囲:P.1124 - P.1128

 自分でそう思っているだけかもしれないが、私の推論法は“独特”である。というか、独特でなければならないのである。
 たとえば不明熱や不定愁訴というのは、単に患者あるいは担当医が「診断がわからない」という状態なのではない。ケースにもよるが、誰が、何をわかっていないかすらもわかっていない場合が多い。言い換えれば、不明熱や不定愁訴の診療においては、どこかしらの点で誰かが騙されているのである。診断の難しい症例の判断では、この「トリック」を見抜く眼と思考が必要になる。これは、普通に考えている人たちを出し抜く行為であるから、“独特さ”が必要である。だから、私の思考法は、人が真似をしては困るのである。
 ここまでで私が自分の推論法を開陳できない事情はわかっていただけたと思うが、これで脱稿とするわけには(空気的に)いかないであろう。そこで、私が実践していて、人にもお勧めできる勉強法について述べることにする。

55歳からの家庭医療|明日から地域で働く技術とエビデンス・8

—家庭医の臨床診断の技芸2(JOY of DIAGNOSIS, revisited)—DIAGNOSTIC ERROR in FAMILY MEDICINE

著者: 藤沼康樹

ページ範囲:P.1129 - P.1133

どうすれば「診断エラー」を防げるか
 プライマリ・ケア外来中心の仕事をしている家庭医に対して、紹介先や専門科から「診断」の“間違い”や“遅れ”が指摘されることがあります。「一刻を争う疾患なのに、まず一歩が出遅れているのではないか」「重大な所見があるのに、なぜ見落としているのか」といった批判が、特に病院や専門医から投げかけられることも多いものです。

こんなときオスラー|超訳『平静の心』・8

医学生は病院で学ぶべきである—「病院は大学である」の章より

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.1134 - P.1137

CASE 1
 Aさんは市中病院の勤務医である。近所の医学生から、休日を利用しての病院見学の希望があった。大学の指導教官の許可は得たとのことである。
 Aさんは、医学生を受け入れることが現場の活性化につながる可能性を期待している。しかし一方で、医学生の実習を受け入れることによる患者とのトラブルが心配になった。
 果たして、医学生の実習を受け入れるべきか?

国試にたずねよ・8

“失敗(failure)”を知れば、failureなし

著者: 山中克郎

ページ範囲:P.1138 - P.1141

 AI(人工知能)の技術革新は目覚ましい。10年後にどんな医療が構築されているのか、楽しみだ。自動運転のタクシーが普及すれば、運転ができない高齢者もいつだって通院が可能だ。病院に着くと、ソフトバンク社のPepperのようなロボットがやってきて、問診室へ案内される。問診室では「攻める問診」により詳細な病歴が聴取され、すぐに診断がつくことだろう(職探ししないといかんな)。
 診察室での患者との会話はカルテに音声入力され、検査の説明もAIがすべてやってくれるとありがたい。X線診断や病理診断の多くは、AIに置き換わるに違いない。最新のガイドラインも自動的に画面に表示され、医者は治療に集中できる。レセプトチェックからも解放される。
 ついでに、構想を語るだけで、勝手にこの原稿を書いてくれると嬉しい。こんな未来を妄想していると、楽しい時間がどんどん過ぎるのである。早く原稿書けよ、私。

総合診療専門医(仮)セルフトレーニング問題・5

嚥下性肺炎で入院になった80代男性

著者: 喜瀬守人

ページ範囲:P.1142 - P.1145

セッティング
郊外中規模急性期病院の総合診療科病棟。総合診療科の病棟業務は、いわゆる一般内科的な役割で、コモンな疾患の入院を担当しつつ、専門性の高い領域については専門医へコンサルトしながら対応している。CT・MRI・内視鏡などは自院で施行可能。

#総合診療

#今月の特集関連本❶

ページ範囲:P.1010 - P.1010

#今月の特集関連本❷

ページ範囲:P.1024 - P.1024

#書評:『日常診療に潜むクスリのリスク—臨床医のための薬物有害反応の知識』

著者: 徳田安春

ページ範囲:P.1035 - P.1035

 医療現場で、薬の副作用ケースが増えています。高齢化、マルチモビディティ、ポリファーマシー、新薬開発、ガイドラインによる推奨などが要因です。それでも、処方した医師には、副作用を早期に発見し対処する責任があると言えます。そのためには、処方する医師には「特別」な学習が必要です。なぜ特別かというと、悲しいかな、薬の副作用についての臨床的に役立つ実践的な知識は、薬のパンフレットや添付文書を熟読しても習得できないからです。

#今月の特集関連本❸

ページ範囲:P.1039 - P.1039

#今月の特集関連本❹

ページ範囲:P.1076 - P.1076

#編集部に届いた執筆者関連本

ページ範囲:P.1119 - P.1119

#医学書院の新刊

ページ範囲:P.1120 - P.1121

#書評:『超・開業力—在宅医療・クリニック経営の新常識と新城式』

著者: 堀木優志

ページ範囲:P.1123 - P.1123

 著者の新城拓也先生(神戸市、しんじょう医院)は、緩和医療という、患者それぞれの人生背景の多様さや個別性を重んじるがゆえにエビデンスを構築しにくい領域で、その構築に尽力している第一人者である。しかし、エビデンスや標準化されたガイドラインを臨床現場に適用しようとすると、それぞれの患者には個別の事情があるので、エビデンスとの間に乖離が生じてしまい、現場の医療者はモヤモヤとした感情を抱くことになる。
 著者は、自身の経験だけで医療や患者を理解してしまうことの危険性を訴えながらも、医療者がエビデンスと臨床現場との乖離に感じるモヤモヤを理解し、その本質は何か、うまく言語化できない思いを上手に表現し解説する。それゆえ、著者の講演やブログは、いつも大人気である。

#今月の連載関連本

ページ範囲:P.1128 - P.1128

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読者アンケート

ページ範囲:P.1146 - P.1146

『総合診療』編集方針—リニューアルにあたって

ページ範囲:P.1147 - P.1147

 2015年、1991年に創刊した弊誌は、下記の「編集方針」を掲げて、『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。以来、この2年間のうちにも高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされます。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、リニューアルいたしました。本誌は、今後も既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。
2017年1月  『総合診療』編集委員会

『総合診療』バックナンバーのご案内

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次号予告

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基本情報

総合診療

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 2188-806X

印刷版ISSN 2188-8051

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33巻12号(2023年12月発行)

特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.

33巻11号(2023年11月発行)

特集 —続・総合診療外来に“実装”したい—最新エビデンスMy Best 3

33巻10号(2023年10月発行)

特集 ○×クイズ110問!日常診療アップグレード—Choosing WiselyとHigh Value Careを学ぼう

33巻9号(2023年9月発行)

特集 ジェネラリストのための「発達障害(神経発達症)」入門

33巻8号(2023年8月発行)

特集 都市のプライマリ・ケア—「見えにくい」を「見えやすく」

33巻7号(2023年7月発行)

特集 “消去法”で考え直す「抗菌薬選択」のセオリー—広域に考え、狭域に始める

33巻6号(2023年6月発行)

特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)

33巻5号(2023年5月発行)

特集 —疾患別“イルネススクリプト”で学ぶ—「腹痛診療」を磨き上げる22症例

33巻4号(2023年4月発行)

特集 救急対応ドリル—外来から在宅までの60問!

33巻3号(2023年3月発行)

特集 —自信がもてるようになる!—エビデンスに基づく「糖尿病診療」大全—新薬からトピックスまで

33巻2号(2023年2月発行)

特集 しびれQ&A—ビビッとシビれるクリニカルパール付き!

33巻1号(2023年1月発行)

特集 COVID-19パンデミック 振り返りと将来への備え

32巻12号(2022年12月発行)

特集 レクチャーの達人—とっておきの生ライブ付き!

32巻11号(2022年11月発行)

特集 不定愁訴にしない“MUS”診療—病態からマネジメントまで

32巻10号(2022年10月発行)

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32巻9号(2022年9月発行)

特集 総合診療・地域医療スキルアップドリル—こっそり学べる“特講ビデオ”つき!

32巻8号(2022年8月発行)

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32巻7号(2022年7月発行)

特集 —どうせやせない!? やせなきゃいけない??苦手克服!—「肥満」との向き合い方講座

32巻6号(2022年6月発行)

特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3

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32巻4号(2022年4月発行)

特集 えっ、これも!? 知っておきたい! 意外なアレルギー疾患

32巻3号(2022年3月発行)

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特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート

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31巻12号(2021年12月発行)

特集 “血が出た!”ときのリアル・アプローチ—そんな判断しちゃダメよ!

31巻11号(2021年11月発行)

特集 Q&Aで深める「むくみ診断」—正攻法も!一発診断も!外来も!病棟も!

31巻10号(2021年10月発行)

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31巻2号(2021年2月発行)

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31巻1号(2021年1月発行)

特別増大特集 新型コロナウイルス・パンデミック—今こそ知っておきたいこと、そして考えるべき未来

30巻12号(2020年12月発行)

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30巻10号(2020年10月発行)

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30巻9号(2020年9月発行)

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27巻12号(2017年12月発行)

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