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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻8号

2017年08月発行

文献概要

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する! 【Case series 2 ロジカルに迫り確定診断を導く!】

高血圧+低K血症

著者: 岡本将英1 柴田洋孝1

所属機関: 1大分大学医学部内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座

ページ範囲:P.1048 - P.1051

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Case
心電図異常と低K血症を認めた高血圧症の1例
患者:55歳、男性。
既往歴:高血圧。
内服薬:なし(漢方薬、サプリメントもなし)。
現病歴:数年前から健康診断で高血圧を指摘されていたが、病院受診はしなかった。最近頭痛があり、内科を受診したところ、血圧が 210/110mmHgと高値であった。また心電図上T波の平低化、U波の増高が認められ、血液検査では血清K値が2.4mEq/Lと低値であった。「二次性高血圧」の疑いで同日行われたホルモン検査では、血漿アルドステロン濃度(PAC)27.4ng/dL、血漿レニン活性(PRA)0.2 ng/mL/h、アルドステロン・レニン比(ARR)137と、原発性アルドステロン症(PA)スクリーニングが「陽性」となり、当科紹介入院となった(その他のホルモンは異常なし)。入院後、機能確認検査を行ったところ、カプトプリル刺激試験・経口食塩負荷試験が「陽性」となったため「原発性アルドステロン症」の診断となった。腹部単純CTでは左副腎に10mm大の腺腫が認められた(図1)。本人に手術希望があったため、副腎静脈サンプリング(AVS)が施行され、左副腎からアルドステロンが過剰分泌されていることが判明した。後日、泌尿器科で腹腔鏡下左副腎摘出術が施行され、術後、血圧と血清K値は正常化した。

参考文献

1)日本内分泌学会 原発性アルドステロン症検討委員会,他:原発性アルドステロン症の診断治療ガイドライン2009.日本内分泌学会雑誌 86(Suppl-2): 1-19, 2010.
2)日本内分泌学会,他:わが国の原発性アルドステロン症の診療に関するコンセンサス・ステートメント.日本内分泌学会雑誌 92(Suppl)ii-49, September 2016.
3)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):高血圧治療ガイドライン2014.ライフサイエンス出版,pp115-130, 2014.
4)Funder JW, et al : The management of primary aldosteronism ; case detection, diagnosis, and treatment ; an Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab 101(5): 1889-1916, 2016. PMID 26934393
5)柴田洋孝:原発性アルドステロン症の最近の進歩.日本内科学会雑誌 106(2): 319-326, 2017.
6)柴田洋孝:原発性アルドステロン症.矢﨑義雄(総編):内科学Ⅳ(第11版).p1636,朝倉書店,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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