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特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する! 【Case series 2 ロジカルに迫り確定診断を導く!】
高血圧+低K血症
著者: 岡本将英1 柴田洋孝1
所属機関: 1大分大学医学部内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学講座
ページ範囲:P.1048 - P.1051
文献購入ページに移動心電図異常と低K血症を認めた高血圧症の1例
患者:55歳、男性。
既往歴:高血圧。
内服薬:なし(漢方薬、サプリメントもなし)。
現病歴:数年前から健康診断で高血圧を指摘されていたが、病院受診はしなかった。最近頭痛があり、内科を受診したところ、血圧が 210/110mmHgと高値であった。また心電図上T波の平低化、U波の増高が認められ、血液検査では血清K値が2.4mEq/Lと低値であった。「二次性高血圧」の疑いで同日行われたホルモン検査では、血漿アルドステロン濃度(PAC)27.4ng/dL、血漿レニン活性(PRA)0.2 ng/mL/h、アルドステロン・レニン比(ARR)137と、原発性アルドステロン症(PA)スクリーニングが「陽性」となり、当科紹介入院となった(その他のホルモンは異常なし)。入院後、機能確認検査を行ったところ、カプトプリル刺激試験・経口食塩負荷試験が「陽性」となったため「原発性アルドステロン症」の診断となった。腹部単純CTでは左副腎に10mm大の腺腫が認められた(図1)。本人に手術希望があったため、副腎静脈サンプリング(AVS)が施行され、左副腎からアルドステロンが過剰分泌されていることが判明した。後日、泌尿器科で腹腔鏡下左副腎摘出術が施行され、術後、血圧と血清K値は正常化した。
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