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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻8号

2017年08月発行

文献概要

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する! 【Case series 2 ロジカルに迫り確定診断を導く!】

発作性高血圧+発汗異常

著者: 田辺晶代1

所属機関: 1国立国際医療研究センター病院糖尿病内分泌代謝科

ページ範囲:P.1052 - P.1055

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Case
患者:52歳、女性。
主訴:発作的に生じる動悸・頭痛・発汗過多。
家族歴:特記事項なし。
既往歴:特記事項なし。
月経歴:初経12歳、以後順調、51歳で閉経。
現病歴:48歳の健診で高血圧を指摘され、降圧薬内服下で血圧130/80mmHg、脈拍数80回/分台であった。同時期から月に数回の頻度で上記の症状が出現し、その際の血圧は150/90mmHgであった。症状は30分程度で消失し、更年期症状あるいはパニック障害として漢方薬を処方されたが、無効であった。1カ月前に腸炎を発症し、その際の腹部エコーで径3cmの左副腎腫瘍を指摘された。血中・尿中カテコールアミン値および尿中メタネフリン分画値が高値であり、「褐色細胞腫」と診断され、腹腔鏡下左副腎摘出術を受けた。術後はカテコールアミン値が正常化し、降圧薬を中止したが、血圧110/60mmHg、脈拍数60回/分であった。

参考文献

1)成瀬光栄,厚生労働省難治性疾患克服研究事業「褐色細胞腫の実態調査と診療指針の作成」研究班(編),平成21年度研究報告書. 〈2009年に発行された本邦の褐色細胞腫の全国調査結果〉
2)Pussard E, et al : Radioimmunoassay of free plasma metanephrines for the diagnosis of catecholamine-producing tumors. Clin Chem Lab Med 52(3): 437-444, 2014. PMID 24088613 〈褐色細胞腫診断における血中遊離メタネフリン分画の有用性を示す論文〉
3)厚生労働省難治性疾患克服研究事業「褐色細胞腫の実態調査と診療指針の作成」研究班(編):「褐色細胞腫診断指針2012」 〈本邦における褐色細胞腫の診断指針〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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