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特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する! 【Case series 2 ロジカルに迫り確定診断を導く!】
尿路結石+高Ca血症
著者: 野津雅和1 山内美香1 杉本利嗣1
所属機関: 1島根大学医学部 内科学講座内科学第一
ページ範囲:P.1065 - P.1067
文献購入ページに移動尿路結石が発見契機となった原発性副甲状腺機能亢進症の1例
患者:55歳、女性。
既往歴:53歳時に転倒し、左橈骨遠位端骨折。
現病歴:数週間前より背部に鈍痛を自覚することがあった。早朝に突然強い背部痛が出現し、悶絶していたため、家族から救急車を要請され救急外来に搬送された。受診時の尿検査にて尿潜血(3+)、生化学検査にてCa 10.9mg/dLと高値であった。鎮痛薬の投与により背部痛が改善後、腹部エコーを行ったところ、左腎盂の拡張を認めた。腹部単純X線検査をしたところ、左尿管に結石を疑う陰影を認めた。再診時の検査にて、尿中Ca/尿中Cr 0.38と、高Ca尿症を認め、血清Ca 11.2mg/dLに対しintact PTH(副甲状腺ホルモン)263pg/mLと高値であり、「原発性副甲状腺機能亢進症」(primary hyperparathyroidism:pHPT)と診断された。
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