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文献概要
特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する! 【Case series 2 ロジカルに迫り確定診断を導く!】
肥満+多毛
著者: 柳瀬敏彦1
所属機関: 1福岡大学医学部内分泌・糖尿病内科
ページ範囲:P.1068 - P.1071
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肥満・無月経・多毛症を主訴に来院した若年女性
患者:16 歳、女性。
主訴:無月経と多毛症。
家族歴・生活歴:特記事項なし。
現病歴:幼少時より肥満傾向を認めた。12歳時に月経様の出血を認めたが、以後は無月経であった。12歳頃より10kgの体重増加を認め、多毛および声の低音化が目立つようになった。精査目的で入院。
身体所見:身長161cm、体重88kg(BMI=34kg/m2)、血圧130/78mmHg、脈拍数80回/分。口唇周囲・下顎・下腹部・四肢に剛毛を認める。顔面に面皰あり。両側腋窩に黒色表皮腫 G2 あり。乳房発育は良好。神経学的異常なし。
内分泌学的検査:ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)41.9pg/mL、GH(成長ホルモン)1.10ng/mL、PRL(プロラクチン)8.9ng/mL、LH(黄体形成ホルモン)7.0mIU/mL、FSH(卵胞刺激ホルモン)8.2mIU/mL、FT4(遊離サイロキシン)1.59ng/dL、コルチゾール15.3μg/dL、DHEA-S(dehydroepiandrosterone sulfate)372μg/dL(68〜300)、テストステロン1.01ng/mL(0.6〜0.9)、遊離テストステロン4.0pg/mL(<2.7)、E2(エラストラジオール) 38.5pg/mL。
肥満・無月経・多毛症を主訴に来院した若年女性
患者:16 歳、女性。
主訴:無月経と多毛症。
家族歴・生活歴:特記事項なし。
現病歴:幼少時より肥満傾向を認めた。12歳時に月経様の出血を認めたが、以後は無月経であった。12歳頃より10kgの体重増加を認め、多毛および声の低音化が目立つようになった。精査目的で入院。
身体所見:身長161cm、体重88kg(BMI=34kg/m2)、血圧130/78mmHg、脈拍数80回/分。口唇周囲・下顎・下腹部・四肢に剛毛を認める。顔面に面皰あり。両側腋窩に黒色表皮腫 G2 あり。乳房発育は良好。神経学的異常なし。
内分泌学的検査:ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)41.9pg/mL、GH(成長ホルモン)1.10ng/mL、PRL(プロラクチン)8.9ng/mL、LH(黄体形成ホルモン)7.0mIU/mL、FSH(卵胞刺激ホルモン)8.2mIU/mL、FT4(遊離サイロキシン)1.59ng/dL、コルチゾール15.3μg/dL、DHEA-S(dehydroepiandrosterone sulfate)372μg/dL(68〜300)、テストステロン1.01ng/mL(0.6〜0.9)、遊離テストステロン4.0pg/mL(<2.7)、E2(エラストラジオール) 38.5pg/mL。
参考文献
1)柳瀬敏彦,他:内科医が遭遇する副腎性器症候群・性腺疾患.日本内科学会雑誌 103(4):901-907, 2014. PMID 24908988
2)水沼英樹他,生殖・内分泌委員会:本邦における多囊胞性卵巣症候群の新しい診断基準の設定に関する小委員会(平成17年度〜平成18年度)検討結果報告.日産婦誌 59(3): 875, 2007.
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