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特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する! 【コラム Endocrinology in Generalist Medicine】
低リン血症を見つけたら
著者: 福本誠二1
所属機関: 1徳島大学先端酵素学研究所藤井節郎記念医科学センター分子内分泌学研究分野
ページ範囲:P.1079 - P.1079
文献購入ページに移動 リンは、骨や歯、細胞膜や核酸、あるいは各種細胞内リン酸化物質の構成成分として、生体内で必須の役割を果たしている。生体内のリンの約85%は骨に、約15%は細胞内に存在し、細胞外のリンは体内のリンの1%以下に過ぎない。しかし、慢性の低リン血症は、骨石灰化障害を特徴とするくる病や骨軟化症の原因となる。逆に高リン血症は、異所性石灰化を惹起する。したがって生体には、血中リン濃度を一定の範囲に維持する機構が存在するはずである。
血中リン濃度は、腸管からのリン吸収、腎臓からのリン排泄、および骨や細胞内のリンとの移動により調節されている。したがって低リン血症は、腸管からのリン吸収の低下、尿中へのリン排泄の促進、あるいは骨や細胞内へのリンの移動により惹起される(表1)。このうち腸管リン吸収は、1,25-水酸化ビタミンDにより促進される。したがって摂取不足や吸収不良症候群などに加え、ビタミンD作用障害によっても低リン血症が惹起される。
血中リン濃度は、腸管からのリン吸収、腎臓からのリン排泄、および骨や細胞内のリンとの移動により調節されている。したがって低リン血症は、腸管からのリン吸収の低下、尿中へのリン排泄の促進、あるいは骨や細胞内へのリンの移動により惹起される(表1)。このうち腸管リン吸収は、1,25-水酸化ビタミンDにより促進される。したがって摂取不足や吸収不良症候群などに加え、ビタミンD作用障害によっても低リン血症が惹起される。
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