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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻8号

2017年08月発行

文献概要

特集 見逃しやすい内分泌疾患─このキーワード、この所見で診断する! 【コラム Endocrinology in Generalist Medicine】

ひょっとしたらMEN?

著者: 森田浩之1

所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科総合病態内科学

ページ範囲:P.1085 - P.1085

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 「MEN」とは、multiple endocrine neoplasia(多発性内分泌腫瘍症)の略称で、複数の内分泌臓器に良性、もしくは悪性の腫瘍が多発する症候群である。1型(MEN1)と2型(MEN2)があり、両型とも常染色体優性遺伝をし、MEN1は腫瘍抑制遺伝子MEN1の、MEN2はがん原遺伝子RETの変異に起因している。それぞれ特徴的な3種類の腫瘍の組み合わせで構成されており、MEN1では副甲状腺機能亢進症、膵消化管内分泌腫瘍(ガストリノーマ、インスリノーマなど)、下垂体腺腫(プロラクチノーマ、先端巨大症など)、MEN2では甲状腺髄様がん、副腎褐色細胞腫、副甲状腺機能亢進症である。
 これらの腫瘍は異時性に発生するため、必ずしも同時に存在しない。また、発生頻度も腫瘍によって大きく異なっている。MEN1では図1のように年齢的に副甲状腺機能亢進症から発症することが多く、しばらくしてから膵消化管内分泌腫瘍もしくは下垂体腺腫が発症し、その時点で「MEN1」と診断できるようになる。MENの診断には、3種類の腫瘍うちの2種類が存在するか、MENと診断された近親者がいる場合では3種類のうちの1種類が存在すればよい。また、1つの臓器に同じ腫瘍が多中心性に複数認められることも多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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