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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻8号

2017年08月発行

文献概要

苦手克服|野獣のリアル勉強法・8

「私と推論」—不明熱・不定愁訴のような診断の難しい症状・疾患をどう診断しているか

著者: 國松淳和1

所属機関: 1国立国際医療研究センター 総合診療科

ページ範囲:P.1124 - P.1128

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 自分でそう思っているだけかもしれないが、私の推論法は“独特”である。というか、独特でなければならないのである。
 たとえば不明熱や不定愁訴というのは、単に患者あるいは担当医が「診断がわからない」という状態なのではない。ケースにもよるが、誰が、何をわかっていないかすらもわかっていない場合が多い。言い換えれば、不明熱や不定愁訴の診療においては、どこかしらの点で誰かが騙されているのである。診断の難しい症例の判断では、この「トリック」を見抜く眼と思考が必要になる。これは、普通に考えている人たちを出し抜く行為であるから、“独特さ”が必要である。だから、私の思考法は、人が真似をしては困るのである。
 ここまでで私が自分の推論法を開陳できない事情はわかっていただけたと思うが、これで脱稿とするわけには(空気的に)いかないであろう。そこで、私が実践していて、人にもお勧めできる勉強法について述べることにする。

参考文献

1)Kroshinsky D, et al:Case records of the Massachusetts General Hospital. Case 22-2011. A 79-year-old man with a rash, arthritis, and ocular erythema. N Engl J Med 365(3):252-262, 2011. PMID 21774714
2)Chad DA, et al:Case records of the Massachusetts General Hospital. Case 14-2011. A woman with asymmetric sensory loss and paresthesias. N Engl J Med 364(19): 1856-1865, 2011. PMID 21561352
3)Murali MR, et al:Case records of the Massachusetts General Hospital. Case 9-2011. A 37-year-old man with flushing and hypotension. N Engl J Med 364(12):1155-1165, 2011. PMID 21428772

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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