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文献詳細

雑誌文献

総合診療27巻9号

2017年09月発行

文献概要

What's your diagnosis?[177]

“D”の意志

著者: 高岸勝繁1

所属機関: 1京都岡本記念病院総合診療科

ページ範囲:P.1162 - P.1165

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病歴
患者:54歳、男性。
主訴:体重減少と筋力低下。
現病歴:受診3カ月前よりC型肝炎に対してヴィキラックス®(オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル)が開始された。1.5カ月前、旅行中に朝から全身筋肉痛と倦怠感を自覚。その後症状は持続したが、なんとか活動はできていた。1カ月前に友人より痩せていることを指摘され、その際体重を測ると、旅行前後の2週間で6kgの体重減少を認めていた。本人も大腿部の筋萎縮と筋力低下を自覚し、かかりつけ医を受診したところ、血清IgG低値(189mg/dL)、左上肺野の空洞性病変を指摘され、薬剤による免疫不全と日和見感染症が疑われ、抗菌薬(セフトリアキソン)と免疫グロブリン注射を施行された。喀痰抗酸菌検査、HIV検査、ヒトパルボウイルスB19などは陰性であり、薬剤中止後2週間程度でIgG値は改善を認め、肺病変も安定していたため退院。しかしながらその後も倦怠感や下肢脱力感は改善せず、当院を受診された。
既往歴:C型肝炎。
薬剤歴:受診3カ月前からヴィキラックス®(オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル)。

参考文献

1)Baba M : Diabetic amyotrophy or proximal diabetic neuropathy an immune-mediated condition? Intern Med 40(4): 273-274, 2001. PMID 11334383
2)Sander HW, et al : Diabetic amyotrophy : current concepts. Semin Neurol 16(2): 173-178, 1996. PMID 8987131
3)Kelkar P, et al : Distinctive pathologic findings in proximal diabetic neuropathy(diabetic amyotrophy). Neurology 55(1): 83-88, 2000. PMID 10891910
4)Barohn RJ, et al : The Bruns-Garland syndrome (diabetic amyotrophy). Revisited 100 year later. Arch Neurol 48(11): 1130-1135, 1991. PMID 1953396
5)Dyck PJ, et al : Microvasculitis and ischemia in diabetic lumbosacral radiculoplexus neuropathy. Neurology 53(9): 2113-2121, 1999. PMID 10599791
6)Chan YC, et al : Immunotherapy for diabetic amyotrophy. Cochrane Database Syst Rev : CD006521, 2012. PMID 22696358

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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