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特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい 【診断編】
プライマリ・ケアにおける「不安」の評価法
著者: 木村勝智1
所属機関: 1みよし市民病院 内科
ページ範囲:P.1177 - P.1181
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健康診断を契機に多彩な症状を呈した一例
患者:56歳、女性。主婦。
既往歴・家族歴:特記すべきことなし。
現病歴:3カ月ほど前に、健康診断で初めて「不整脈」を指摘された。それまでは無症状であったが、それ以降は頻回に「動悸」を自覚するようになり、「発汗」「手の震え」「口の渇き」「不眠」「食欲不振」などの症状も出現するようになった。もともと心配性で、ちょっと気になることがあると、それが頭の中でぐるぐるして眠れなくなるのが常であり、最近では娘の結婚に伴う心配事が多かった。
胸部X線写真、心電図・Holter心電図、甲状腺機能および血中/尿中カテコールアミンを含む血液/尿検査で異常は認められなかった。問診では、全般性不安と軽度のうつ傾向が認められたが、双極性障害や精神病性障害は否定的で、「全般不安症/全般性不安障害」と診断した。抗うつ薬(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の投与を開始したところ、症状は徐々に改善し、日常生活に支障はなくなった。
健康診断を契機に多彩な症状を呈した一例
患者:56歳、女性。主婦。
既往歴・家族歴:特記すべきことなし。
現病歴:3カ月ほど前に、健康診断で初めて「不整脈」を指摘された。それまでは無症状であったが、それ以降は頻回に「動悸」を自覚するようになり、「発汗」「手の震え」「口の渇き」「不眠」「食欲不振」などの症状も出現するようになった。もともと心配性で、ちょっと気になることがあると、それが頭の中でぐるぐるして眠れなくなるのが常であり、最近では娘の結婚に伴う心配事が多かった。
胸部X線写真、心電図・Holter心電図、甲状腺機能および血中/尿中カテコールアミンを含む血液/尿検査で異常は認められなかった。問診では、全般性不安と軽度のうつ傾向が認められたが、双極性障害や精神病性障害は否定的で、「全般不安症/全般性不安障害」と診断した。抗うつ薬(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の投与を開始したところ、症状は徐々に改善し、日常生活に支障はなくなった。
参考文献
1)Kessler RC, et al : Lifetime prevalence and age-of-onset distributions of DSM-IV disorders in the National Comorbidity Survey Replication. Arch Gen Psychiatry 62(6): 593-602, 2005. PMID 15939837
2)Lamers F, et al : Comorbidity patterns of anxiety and depressive disorders in a large cohort study ; the Netherlands Study of Depression and Anxiety(NESDA). J Clin Psychiatry 72(3): 341-348, 2011. PMID 21294994
3)Kessler RC, et al : Anxious and non-anxious major depressive disorder in the World Health Organization World Mental Health Surveys. Epidemiol Psychiatr Sci 24(3): 210-226, 2015. PMID 25720357
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