文献詳細
文献概要
特集 うつより多い「不安」の診かた—患者も医師も安らぎたい 【治療編】
—プライマリ・ケア医にもできる!—「不安」に対する精神療法
著者: 今村弥生1
所属機関: 1杏林大学医学部付属病院 精神神経科学
ページ範囲:P.1188 - P.1191
文献購入ページに移動Case
患者:38歳、男性。会社員。
現病歴:「動悸」「めまい感」「中途覚醒」、また「足がしびれてふらつくような気がする」と初診。2週間前の日中、「動悸」と「呼吸困難」が起こり、救急外来を受診したが、数々の検査後、器質的な異常は指摘されず、「パニック症/パニック障害」と診断されていた。問診上、身体症状が前景に出ていて、表情は一見元気そうだが、軽度の「抑うつ気分」も認められた。今まで精神科受診歴はない。
「軽症うつ病エピソード+パニック症」と診断し、本人に病気の説明をしたところ「電車に乗るのが不安で、いつも動悸がする。また以前のような発作が起こるのではないかと不安です」と訴えた。仕事の悩みには共感もできて、見るからに真面目そうな、パーソナリティの問題も発達障害などのコミュニケーションの問題もなさそうなこの人なら、プライマリ・ケア医でも精神療法ができそうかと思われたが……。
患者:38歳、男性。会社員。
現病歴:「動悸」「めまい感」「中途覚醒」、また「足がしびれてふらつくような気がする」と初診。2週間前の日中、「動悸」と「呼吸困難」が起こり、救急外来を受診したが、数々の検査後、器質的な異常は指摘されず、「パニック症/パニック障害」と診断されていた。問診上、身体症状が前景に出ていて、表情は一見元気そうだが、軽度の「抑うつ気分」も認められた。今まで精神科受診歴はない。
「軽症うつ病エピソード+パニック症」と診断し、本人に病気の説明をしたところ「電車に乗るのが不安で、いつも動悸がする。また以前のような発作が起こるのではないかと不安です」と訴えた。仕事の悩みには共感もできて、見るからに真面目そうな、パーソナリティの問題も発達障害などのコミュニケーションの問題もなさそうなこの人なら、プライマリ・ケア医でも精神療法ができそうかと思われたが……。
参考文献
1)大野裕,他:保健,医療,福祉,教育にいかす簡易型認知行動療法実践マニュアル.きずな出版,2017.
2)Mark Williams, et al. 2011/佐渡充洋,他(監訳):自分でできるマインドフルネス─安らぎへと導かれる8週間のプログラム.創元社,2016.
掲載誌情報