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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻1号

2018年01月発行

文献概要

特集 シン・フィジカル改革宣言!—私の“神技”伝授します。 【部位別“神技”!—何を意識して診ているか?】

—腹部—君は“手の先”に腹部の異常を感じることができるか!?

著者: 腹痛を「考える」会

所属機関:

ページ範囲:P.29 - P.34

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Case
患者:10歳代、男性。
主訴:右下腹部痛。
現病歴:受診前日の夕方までは普段と変わりなく過ごしていたが、就寝前から臍周囲に持続時間が10〜20分の間欠的な痛みを自覚した。その後、嘔気あり、1回嘔吐した。吐物は食物残渣のみで血液混入なし。そのまま就寝したが、起床時から右下腹部に持続性の痛みがあり、歩行すると響く。また、今朝から食欲がない。軟便1回あり。熱感があるが、自宅では体温を測定していない。
既往歴:特記事項なし。
バイタルサイン:血圧119/71mmHg、脈拍数102回/分、SpO2 98%(室内気)、呼吸数15回/分、体温38.1℃。
身体所見(腹部のみ記す):平坦。腸蠕動音は生理的。右下腹部に圧痛あるが反跳痛なし、踵落とし試験は陽性。

参考文献

1)Sandkühler J: Models and mechanisms of hyperalgesia and allodynia. Physiol Rev 89(2) : 707-758, 2009. PMID 19342617 〈最初の数ページは「痛覚過敏」や「異痛症」などの定義について記載されており知識の整理に役立ったが、その後はイオンチャネル、タンパクやレセプターなど延々と生理学の話が続いてつらかった〉
2)Stein JM: Eliciting rebound tenderness of abdomen, new method. N Y State J Med 65 : 2161-2162, 1965. PMID 14335194 〈理にかなった診察法だと思うが、反跳痛という手技自体が野蛮なものとみなされていたせいか、いろいろなところで酷評された不憫な論文である〉
3)Carnett JB: Intercostal neuralgia as a cause of abdominal pain and tenderness. Surg Gynecol Obstet 42 : 625-632, 1926. 〈腹壁圧痛試験の原著論文で、腹壁を緊張させる方法として、「頭を浮かせる」ほかに「腹式呼吸で吸気させる」手法も紹介されているが、これはイマイチだと思う〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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