文献詳細
文献概要
特集 シン・フィジカル改革宣言!—私の“神技”伝授します。 【部位別“神技”!—何を意識して診ているか?】
—神経—まずは、やってみようよ!神経診察
著者: 能勢裕久1
所属機関: 1川内市医師会立市民病院 神経内科
ページ範囲:P.40 - P.46
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患者:50歳代、男性。
既往歴:38歳;高血圧、脂質異常症指摘。41歳;脳出血、慢性腎不全指摘。
現病歴:朝食後、「回転性めまい」が出現。左耳鳴りと嘔吐も伴ったことから、救急要請。
バイタルサイン:血圧176/84mmHg、脈拍数86回/分・整、体温36.7℃、呼吸数18回/分、SpO2 98%(室内気)。
身体所見:右方向視で右に速い眼振、左方向視で左に速い眼振(注視方向交代性眼振)。指鼻試験拙劣、前庭眼反射(vestibulo-ocular reflex:VOR)正常、skew deviation(斜変位)なし、耳鳴りは左側にあったが、聴力は正常であった。
画像所見:頭部CTでは、脳出血や腫瘍性病変は認めず。頭部MRIでは、左小脳に拡散強調画像にて高信号域を認め、同部位のADC mapは低信号域を認めた。
診断:小脳梗塞(注視方向交代性眼振が診断の鍵になります)。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年12月31日まで)。
患者:50歳代、男性。
既往歴:38歳;高血圧、脂質異常症指摘。41歳;脳出血、慢性腎不全指摘。
現病歴:朝食後、「回転性めまい」が出現。左耳鳴りと嘔吐も伴ったことから、救急要請。
バイタルサイン:血圧176/84mmHg、脈拍数86回/分・整、体温36.7℃、呼吸数18回/分、SpO2 98%(室内気)。
身体所見:右方向視で右に速い眼振、左方向視で左に速い眼振(注視方向交代性眼振)。指鼻試験拙劣、前庭眼反射(vestibulo-ocular reflex:VOR)正常、skew deviation(斜変位)なし、耳鳴りは左側にあったが、聴力は正常であった。
画像所見:頭部CTでは、脳出血や腫瘍性病変は認めず。頭部MRIでは、左小脳に拡散強調画像にて高信号域を認め、同部位のADC mapは低信号域を認めた。
診断:小脳梗塞(注視方向交代性眼振が診断の鍵になります)。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年12月31日まで)。
参考文献
1)日本神経学会:神経学的検査チャート.2008. https://www.neurology-jp.org/news/pdf/news_20080715_01_01.pdf(2017年12月8日現在) 〈記載についての留意事項は、https://www.neurology-jp.org/news/news_20080715_01.html〉
2)廣瀬源二郎:Barré試験とMingazzini試験─Mingazzini原著の重要性.臨床神経55(7):455-458, 2015.
3)Kattah JC, et al:HINTS to diagnose stroke in the acute vestibular syndrome;three-step bedside oculomotor examination more sensitive than early MRI diffusion-weighted imaging. Stroke 40(11):3504-3510, 2009. PMID 19762709
4)Saber Tehrani AS, et al:Small strokes causing severe vertigo;frequency of false-negative MRIs and nonlacunar mechanisms. Neurology 83(2):169-173, 2014. PMID 24920847
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