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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻1号

2018年01月発行

文献概要

特集 シン・フィジカル改革宣言!—私の“神技”伝授します。 【部位別“神技”!—何を意識して診ているか?】

—眼—実は簡単!眼底診察

著者: 鈴木富雄1

所属機関: 1大阪医科大学附属病院 総合診療科

ページ範囲:P.47 - P.53

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Case
「細菌性髄膜炎」が疑われ、眼底検査で「静脈拍動」を確認して髄液検査を施行できた一例
患者:68歳、男性。
既往歴:高血圧、糖尿病。
現病歴:数日前から「全身倦怠感」があり、夕方に「悪寒戦慄」とともに38℃の「発熱」があり、「頭痛」を訴え救急搬送された。
 頭部CT検査で、脳全体が腫脹して脳溝が狭小化している印象もあり、「脳浮腫」の可能性も考えられた。そのため腰椎穿刺がためらわれたが、眼底検査で明らかな「静脈拍動」を確認でき、少なくとも脳圧が上昇した状態ではないと判断して髄液検査を施行。問題なく腰椎穿刺でき、混濁した髄液中に多核球優位の髄液細胞数の著増を認め、「細菌性髄膜炎」(p.73・113)の診断がつき、速やかに継続治療に移行することができた。

参考文献

1)鈴木富雄,伴信太郎:基本的診察法 頭頸部の診察.診断と治療90(2):293-299, 2002.
2)湯澤美都子,他:カラーアトラス 眼底図譜 第3版.日本医事新報社,1984.
3)鈴木富雄,伴信太郎:基本的診察法 神経・下肢の診察.診断と治療90(5):791-800, 2002.
4)鈴木富雄:神経学的診察のしかた─誰もが苦手な眼底と深部腱反射のとりかた.レジデントノート8(5):641-644, 2006.
5)鈴木富雄:どんな人でも必ず見える眼底鏡の使い方 決定版.レジデント2(3):2-13, 2009.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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