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特集 シン・フィジカル改革宣言!—私の“神技”伝授します。 【疾患別“神技”!—コモンの診断・フォローアップはどうする?】
—肺塞栓症—「右室負荷」の感じ方
著者: 鈴木隆宏1 水野篤1
所属機関: 1聖路加国際病院 循環器内科
ページ範囲:P.54 - P.58
文献購入ページに移動長時間フライト後に肺塞栓症をきたした一例
患者:62歳、女性。
現病歴:来院2週間前から「呼吸困難」を自覚。来院前日に、仕事後14時間のフライトで米国から来日。フライト中は一度も席を立つことなく過ごし、空港に到着した際に強い「呼吸困難」と「めまい」を自覚。空港のクリニックで嘔気止めを処方され、ホテルで休んでいた。来院当日、症状が強く動けなくなったため救急要請。
身体所見:身長175cm、体重102kg。
バイタルサイン;意識清明、体温36.7℃、血圧133/90mmHg、脈拍数114回/分、呼吸数27回/分、SpO2 100%(酸素4L・鼻カニューレ)。
頭頸部;眼瞼結膜蒼白なし、眼球黄疸あり。胸部;両側全肺野清、心音Ⅱ音の亢進あり。腹部;平坦・軟、圧痛なし。四肢・その他;下腿浮腫なし、明らかな圧痛なし。
診断:典型的な病歴に加えて、呼吸回数増加とSpO2低下、Ⅱ音の亢進から、「肺塞栓症」を疑い、造影CT検査で確定診断を得た。
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