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特集 シン・フィジカル改革宣言!—私の“神技”伝授します。 【疾患別“神技”!—コモンの診断・フォローアップはどうする?】
—腸閉塞—画像検査をする前にできる、これだけのこと
著者: 山岸文範1
所属機関: 1厚生連糸魚川総合病院 外科
ページ範囲:P.59 - P.62
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患者:70歳代、女性。
現病歴:数日前から、「腹部膨満」と軽度の「嘔気」、「便秘」。腹部全体に軽度の「腹痛」を認めた。症状はいずれも強くないが、改善しなかったため救急外来を受診した。
身体所見:バイタルサインに特に異常を認めず。腹部聴診では、やや高調な蠕動音を聴取。身体診察にて鼠径部まで確認したところ、右下腹部に膨隆を認め、右鼠径ヘルニア嵌頓(図1)とそれによる「腸閉塞」と判断した。経過時間が長いことから整復はせず。
治療:細胞外液を輸液しながら、緊急手術を施行した。回腸が嵌頓しており、鼠径管から引き出したところ、Richter型のヘルニアを認めた(図2)。口側腸管は軽度の拡張。患部を切除し、回腸回腸吻合を施行。術後経過は良好であった。
患者:70歳代、女性。
現病歴:数日前から、「腹部膨満」と軽度の「嘔気」、「便秘」。腹部全体に軽度の「腹痛」を認めた。症状はいずれも強くないが、改善しなかったため救急外来を受診した。
身体所見:バイタルサインに特に異常を認めず。腹部聴診では、やや高調な蠕動音を聴取。身体診察にて鼠径部まで確認したところ、右下腹部に膨隆を認め、右鼠径ヘルニア嵌頓(図1)とそれによる「腸閉塞」と判断した。経過時間が長いことから整復はせず。
治療:細胞外液を輸液しながら、緊急手術を施行した。回腸が嵌頓しており、鼠径管から引き出したところ、Richter型のヘルニアを認めた(図2)。口側腸管は軽度の拡張。患部を切除し、回腸回腸吻合を施行。術後経過は良好であった。
参考文献
1)Markogiannakis H, et al : Acute mechanical bowel obstruction : clinical presentation, etiology, management and outcome. World J Gastroenterol 13(3) : 432-437, 2007. PMID 17230614 〈腸閉塞の臨床症状の頻度を検討している〉
2)Duda JB, et al : Utility of CT whirl sign in guiding management of small-bowel obstruction. AJR Am J Roentgenol 191(3) : 743-747, 2008. PMID 18716103 〈whirl sign陽性の場合は外科治療が必要になることを記載している〉
3)Fevang BT, et al : Long-term prognosis after operation for adhesive small bowel obstruction. Ann Surg 240(2) : 193-201, 2004. PMID 15273540 〈腸閉塞の長期的予後を記載〉
4)Sarr MG, et al : Preoperative recognition of intestinal strangulation obstruction. Prospective evaluation of diagnostic capability. Am J Surg 145(1) : 176-182, 1983. PMID 6849489
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