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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻11号

2018年11月発行

文献概要

What's your diagnosis?[191]

真実は、心を読んで見極めろ!

著者: 山下恵実1 長野広之1 上田剛士1

所属機関: 1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科

ページ範囲:P.1462 - P.1467

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病歴
患者:91歳、女性。
主訴:意識レベル低下。
現病歴:認知症あり、ADL(activities of daily living)は全介助で施設入所中。以前から原因不明の全身疼痛の訴えがあり、アセトアミノフェン900mg/日が処方されていた。疼痛の改善が乏しいため、受診15日前にトラマドール70mg/日が追加され、受診8日前に140mg/日に増量された。受診3日前から傾眠傾向が出現し、食事量が普段の2割程度に減少した。受診前日にトラマドールを70mg/日に減量されたが、意識レベルの改善がなく、当院を受診した。
ROS:陰性症状;発熱、頭痛、嘔吐、下痢、麻痺、痙攣。
既往歴:左頭頂葉皮質下出血、症候性てんかん、高血圧症、発作性心房細動、発作性上室性頻拍、慢性C型肝炎。
内服歴:トラマドール70mg、アセトアミノフェン650mg、バルプロ酸600mg、ジルチアゼム100mg、シベンゾリン100mg、アピキサバン50mg、ドネペジル10mg、酸化マグネシウム990mg、フロセミド40mg。
アレルギー歴:なし。
喫煙歴・飲酒歴:なし。

参考文献

1)Close BR, et al : Pediatric flecainide toxicity from a double dose. Am J Emerg Med 30(9) : 2095.e1-2, 2012. PMID 22386360
2)循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008年度合同研究班報告);不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版).
3)Bertrand G, et al : Evidence for a direct stimulatory effect of cibenzoline on insulin secretion in rats. Eur J Pharmacol 214(2・3) : 159-163, 1992. PMID 1516637
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5)小川 聡:2.心房細動up to date 2)リズムコントロールとレートコントロール〜大規模臨床試験J-RHYTHMの結果を受けて.日内会誌96(9) : 1899-1904, 2007.
6)Wyse DG, et al : AFFIRM Investigators ; a comparison of rate control and rhythm control in patients with atrial fibrillation. N Engl J Med 347(23) : 1825-1833, 2002. PMID 12466506
7)濱本純子,他:コハク酸シベンゾリンにより低血糖を来たした高齢者の1例.糖尿病51(8) : 777-781, 2008.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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