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特集 こんなときこそ漢方を! 【総論:漢方診療の達人は語る】
医師のあるべき姿を古典に学ぶ
著者: 佐藤弘12
所属機関: 1新潟医療福祉大学 2日本東洋医学会
ページ範囲:P.1612 - P.1614
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本誌26巻3号(2016年3月号)の漢方特集の「総論」(pp.198-201)に、松田邦夫先生(松田医院)が「古典にみる良医の姿」を執筆されている。先生は良医たちに共通することとして、「病人の診察治療に際し、ただひたすら良心を尽くす姿である。それは医師の務めであり、医術上達の秘訣である」と結んでおられる。
本稿では、松田先生とは少し観点を変えて、医師のあるべき姿を考えてみたい。
本誌26巻3号(2016年3月号)の漢方特集の「総論」(pp.198-201)に、松田邦夫先生(松田医院)が「古典にみる良医の姿」を執筆されている。先生は良医たちに共通することとして、「病人の診察治療に際し、ただひたすら良心を尽くす姿である。それは医師の務めであり、医術上達の秘訣である」と結んでおられる。
本稿では、松田先生とは少し観点を変えて、医師のあるべき姿を考えてみたい。
参考文献
1)中川米造:医療の原点 21世紀問題群ブックス⑫,p37.岩波書店,1996.〈現代医療・近代医学の問題点を指摘し、21世紀の医療のあり方を提言している〉
2)Ingelfinger FJ:Health ; a matter of statistics or feeling. N Engl J Med 296(8) : 448-449, 1977. PMID 264598 〈現代医療の効用を論じたもので、大きな反響を呼んだ〉
3)永富独嘯庵:吐方考.近世医学書集成14,pp180-181,名著出版,1979. 〈攻撃的治療である吐方について論じている〉
4)石田秀実(監訳):邪気蔵腑病形篇第四 黄帝内経・霊枢上巻.pp91-93,東洋医学出版社,1999. 〈中国医学3大古典の1つが黄帝内経で、素問と霊枢からなる。前者は基礎理論の、後者は鍼灸治療の実践書である〉
5)永富独嘯庵:漫遊雑記.近世医学書集成14,p22,名著出版,1979. 〈天才的な医師の代表的著書。歯に衣着せぬ鋭い論説が特徴。原文を読むことを勧めたい〉
6)同上,p55.
7)Lown B.1996/小泉直子(訳):治せる医師・治せない医師.p182,築地書館,1998. 〈“The lost art of healing”の翻訳。「医師はなぜ治せないのか」との2分冊として出版。臨床家にとって、非常に示唆に富む記述が多く、特に若い医師に読んでもらいたい〉
8)貝原益軒:医を択ぶ.養生訓・第六.岩波文庫.p131,岩波書店,1961. 〈83歳の著書。実体験に基づき、身体のみならず精神の養生も説く。養生法は現在でも実践しやすい〉
9)文献1,pp37-38.
10)文献7,p23.
11)文献7,p101.
12)文献7,p103.
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