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特集 こんなときこそ漢方を! 【私のイチオシ処方】
緩和医療と漢方
著者: 星野惠津夫1
所属機関: 1ほしの内科 横濱関内クリニック
ページ範囲:P.1637 - P.1640
文献購入ページに移動緩和医療における漢方治療の有用性
緩和医療は、古今東西のさまざまな医療技術によって、患者の苦痛を和らげる医療である。多彩な治療法のオプションを必要とするため、症状緩和に優れた漢方を治療に利用できる意義は大きい。がんの緩和医療では、がんと診断された後、積極的治療の時期から経過観察期、さらに終末期に至るまで、各病期に応じてシームレスな症状緩和を行うために、漢方はきわめて有用である。
がんおよび治療の影響で、気力と体力が低下したがん患者の状態を、筆者は「癌証」と呼んでいるが、「癌証」に対しては漢方薬の「補剤」が特効薬となる。補剤とは、弱った患者を元気にする漢方薬群である。補中益気湯・十全大補湯・人参養栄湯は三大補剤と呼ばれ、これらを適切に用いると、がん患者の症状の多くは緩和される。補剤として十全大補湯が頻用されるが、補中益気湯は消化器あるいは精神症状のある患者に、また人参養栄湯は呼吸器症状のある患者に、それぞれ有効な場合が多い。個別症状緩和のためには、以下のような漢方薬を試みる。
緩和医療は、古今東西のさまざまな医療技術によって、患者の苦痛を和らげる医療である。多彩な治療法のオプションを必要とするため、症状緩和に優れた漢方を治療に利用できる意義は大きい。がんの緩和医療では、がんと診断された後、積極的治療の時期から経過観察期、さらに終末期に至るまで、各病期に応じてシームレスな症状緩和を行うために、漢方はきわめて有用である。
がんおよび治療の影響で、気力と体力が低下したがん患者の状態を、筆者は「癌証」と呼んでいるが、「癌証」に対しては漢方薬の「補剤」が特効薬となる。補剤とは、弱った患者を元気にする漢方薬群である。補中益気湯・十全大補湯・人参養栄湯は三大補剤と呼ばれ、これらを適切に用いると、がん患者の症状の多くは緩和される。補剤として十全大補湯が頻用されるが、補中益気湯は消化器あるいは精神症状のある患者に、また人参養栄湯は呼吸器症状のある患者に、それぞれ有効な場合が多い。個別症状緩和のためには、以下のような漢方薬を試みる。
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