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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻12号

2018年12月発行

文献概要

特集 こんなときこそ漢方を! 【私のイチオシ処方】

小児の漢方治療と注意点

著者: 藤井泰志1

所属機関: 1南大沢メディカルプラザ2小児科

ページ範囲:P.1641 - P.1644

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総論—注意点と投与量の目安
 小児の体は、成人とは生理学的特徴が異なる点があり、これに伴い漢方治療でも頻用処方が異なってくる。また、成人と比べて小児は漢方的な体質の個人差(“証”の違い)が比較的少ないため、漢方の頻用処方も限られてくる。個人差を意識せず、症候を目標に処方選択しても、大きく外れることは比較的少ない。
 小児に限らないが、食事アレルギーがある患児への処方には注意が必要である。漢方薬の原材料には食材[小麦、ゴマ(胡麻)、シナモン(桂皮・桂枝)]や、大豆関連植物[マメ科植物由来の黄耆や甘草]が使用されていることがあり、アレルギーの種類や程度によって、投薬を避ける必要が出てくる。またエキス製剤では賦形剤として、乳糖やトウモロコシデンプンが使用されていることが多く、注意が必要である。また、葛根湯・麻黄湯・小青竜湯などに含まれる麻黄はエフェドリンを含有しており、覚醒して寝つけなくなったり、夜泣きのきっかけになったりすることがある。その際には処方変更や減量、服用時間の変更などの対処を検討する。

参考文献

1)広瀬滋之:小児科疾患漢方治療マニュアル—これだけは知っておきたい実践診療のコツ.名著出版,2016. 〈小児漢方の総論・各論の記載。漢方的な小児の診方、心構えなどが詳しく記載されている〉
2)西村甲:臨床漢方小児科学.南山堂,2016. 〈疾患ごとの漢方治療の鑑別がフローチャートで記載されている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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