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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻12号

2018年12月発行

文献概要

特集 こんなときこそ漢方を! 【スキルアップ! 漢方Tips】

小児への漢方薬の上手な使い方・飲ませ方

著者: 藤井泰志1

所属機関: 1南大沢メディカルプラザ2小児科

ページ範囲:P.1659 - P.1659

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◦始め方、やめ方
 漢方薬のなかには、甘くて飲みやすいものがいくつかある。飴が入っている小建中湯や黄耆建中湯、構成生薬がすべて食材由来(小麦、なつめ、お菓子の甘味料にも使われる甘草の3種)の甘麦大棗湯、そのほか人参湯や麦門冬湯などは比較的飲みやすい。処方選択に迷ったときは、飲みやすい処方から先に使用すると、長続きすることが多い。
 また、体に合っている物は比較的おいしいと感じ、合わない物はまずく感じる傾向がある。おいしく飲んでくれている場合や、初めは辛かったけど次第に慣れてきたという場合は、そのまましばらく継続でよい。しかし、どんなに頑張っても飲むのが苦痛になるようであれば、そもそも見立て違いで、体に合っていない漢方薬を選択した可能性がある。そのような際には、早々に別の処方への変更を検討したほうがよい。また、しばらく問題なく飲めていた薬がいつの間にか飲めなくなってしまった場合は、体質が変わって今の薬が合わなくなった、あるいは治療不要となった可能性がある。症状が消失していれば治療終了を、何らかの症状が残っていれば他剤への変更を、検討する頃合いと考える。

参考文献

1)広瀬滋之:小児科疾患漢方治療マニュアル—これだけは知っておきたい実践診療のコツ.名著出版,2016. 〈小児漢方の総論・各論の記載。漢方的な小児の診方、心構えなどが詳しく記載されている〉
2)武井克己:日常診療に活かす小児の漢方—服薬の工夫.小児科診療77 : 1005-1009, 2014. 〈漢方エキス製剤を小児に服用させる工夫について詳細に記載されている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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