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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻12号

2018年12月発行

文献概要

オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・24

「低K血症+脱力発作」を繰り返す患者

著者: 吉田舞12 篠原正樹13 今村昌幹4 徳田安春5

所属機関: 1前沖縄県立八重山病院内科 2現神戸大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科 3現沖縄県立北部病院 4沖縄県立八重山病院内科 5臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲:P.1678 - P.1682

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CASE
患者:33歳、男性
主訴:歩行困難。
現病歴:来院当日の朝起床時より両下肢の脱力があり、歩行困難のため救急車を要請した。来院前日までは普段通り歩行可能だった。来院1カ月前にも下肢の脱力を認めたが、30分ほどで自然軽快した。来院2日前にビール・泡盛を10杯ほど飲んだ。下痢はなく、食事は普段通り摂取していた。外傷のイベントや先行感染はなかった。
既往歴:3年前に腰椎ヘルニアの手術歴あり。1年前の腰椎MRIで異常なし。
内服薬:なし。市販薬、漢方、サプリメントもなし。
家族歴:特記事項なし。
生活歴:普段はほとんど飲まないが、来院2日前は忘年会のため飲酒。現在喫煙20本/日。
身体所見:血圧155/80mmHg、脈拍数97回/分、呼吸数25回/分、SpO299%(室内気)、体温37.0℃。
●頭頸部 明らかな異常所見なし。
●胸部 心音整、心雑音なし。呼吸音清。
●腹部 腸蠕動音正常、圧痛なし。
●四肢 下腿浮腫なし。徒手筋力テスト(MMT);両上肢挙上可能だが、MMT4と低下あり。
腸腰筋2/2、大腿四頭筋1/1、大腿屈筋1/1、前脛骨筋5/5、腓腹筋5/5、長母趾伸筋5/5、長母趾屈筋5/5(MMTに左右差はなし)。深部腱反射・膝蓋腱反射+/+・アキレス腱反射+/+、Babinski反射-/-、足クローヌス-/-。感覚障害なし。脳神経学所見に異常なし。

参考文献

1)Lin SH, et al : Hypokalaemia and paralysis. QJM 94(3) : 133-139, 2001. PMID 11259688
1)Lin SH : Thyrotoxic periodic paralysis. Mayo Clin Proc 80(1) : 99-105, 2005. PMID 15667036
2)Ryan DP, et al : Mutations in potassium channel Kiv 2.6 cause susceptibility to thyrotoxic hypokalemic periodic paralysis. Cell 140(1) : 88-98, 2010. PMID 20074522
3)Lam L, et al : Thyrotoxic periodic paralysis. Proc(Bayl Univ Med Cent)19 : 126-129, 2006. PMID 16609738
4)Abbi Lulsegged, et al : Thyrotoxic Periodic Paralysis ; Case Reports and an Up-to-Date Review of the Literature. Case Reports in Endocrinology, Hindawi Publishing Corporation, 2011.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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