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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻2号

2018年02月発行

文献概要

特集 頭痛患者で頭が痛いんです! 【知っておくべき頭痛たち】

頭痛と腰椎穿刺の切っても切れない仲

著者: 立花久大1

所属機関: 1西宮協立脳神経外科病院・神経内科

ページ範囲:P.216 - P.220

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Case
髄液検査後、頭痛が増悪した1例
患者:25歳、女性。
既往歴・家族歴:特記事項なし。
現病歴:約1週間前より頭痛が出現し、37.9℃の発熱も見られた。3日前近医を受診し、頭部CTが施行されたが異常なかった。片頭痛と診断されトリプタンが処方されたが、効果は見られなかった。2日前同院を再診し、抗菌薬の投与を受けたが効果がないため、当院を紹介された。意識清明で、Kernig徴候・Brudzinski徴候は陰性であったが、項部硬直、Jolt accentuationが陽性であったため、髄膜炎を疑われて入院した。腰椎穿刺による髄液検査を行ったところ、細胞数234/μL、リンパ球96%、蛋白126mg/dL、糖66mg/dL(血糖93mg/dL)であったため、無菌性(ウイルス性)髄膜炎と診断。入院翌日より、起立すると頭痛がひどくなると訴えるようになった。腰椎穿刺後頭痛と考え、輸液と安静にて経過を見たところ、7日目で頭痛も軽快したため退院となった。

参考文献

1)Thomas KE, et al : The diagnostic accuracy of Kernig's sign, Brudzinski's sign and nuchal rigidity in adults with suspected meningitis. Clin Infect Dis 35(1) : 46-52, 2002. PMID 12060874 〈Kernig・Brudzinski徴候,項部硬直が髄膜炎診断にどの程度有用かを検討した論文〉
2)Uchihara T, et al : Jolt accentuation of headache ; the most sensitive sign of CSF pleocytosis. Headache 31(3) : 167-171, 1991. PMID 2071396 〈Jolt accentuationが髄膜炎診断に有用と報告された最初の論文〉
3)Tamune H, et al : Absence of jolt accentuation of headache cannot accurately rule out meningitis in adults. Am J Emerg Med 31(11) : 1601-1604, 2013. PMID 24070978 〈Jolt accentuationが髄膜炎診断に有用であるかを再検討した論文〉
4)Headache Classification Committee of the International Headache Society. 2013/日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会(訳):国際頭痛分類第3版beta版.医学書院,2014. 〈一次性,二次性頭痛すべての診断基準が記載されている〉
5) 佐藤慎哉,他:脳脊髄液漏出症画像判定基準.画像診断基準.脳神経外科速報22(2):200-206, 2012. 〈脳脊髄液漏出症,低髄液圧症の画像判定基準と診断基準が記載されている〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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