文献詳細
文献概要
特集 糖尿病のリアル—現場の「困った!」にとことん答えます。 糖尿病リアルQ&A
—Q6 ひと目でわかる合併症—「え!? これも糖尿病の合併症だったの?」
著者: 三浦順之助1
所属機関: 1東京女子医科大学 糖尿病センター
ページ範囲:P.346 - P.349
文献購入ページに移動後天性反応性穿孔性皮膚症
Case1
腎不全保存期に発症した後天性反応性穿孔性皮膚症
患者:30歳代、男性。2型糖尿病。
主訴:易疲労感、労作時息切れ。
家族歴:母・祖母に糖尿病。
現病歴:15歳で糖尿病を指摘された。食事療法のみで血糖コントロ—ルは改善し、治療を中断。16歳時に高血糖を指摘され内服治療を開始したが、再度治療を中断。
26歳時に職場の健診で眼底出血を指摘され、近医眼科で光凝固術を施行。内科に通院するも、血糖コントロールは不良であった。29歳時に蛋白尿を指摘され、インスリン療法を開始。30歳時に腎機能低下、31歳時に腎不全が進行し血清クレアチニン6mg/dL台まで上昇したため、当科に紹介された。
受診時、瘙痒を伴う半米粒大から小豆大の角化性丘疹の多発を、ほぼ全身に認めた(図1ⓐ)。透析導入基準を満たしたため、入院後透析を開始した。皮膚病変は皮膚生検を施行して、「後天性反応性穿孔性皮膚症(ARPC)」と診断した。抗ヒスタミン薬の内服と週2回の維持透析を開始。退院後は週3回の維持透析を継続した。同皮疹は徐々に改善し、8カ月後には瘙痒感はほぼなくなった1)(図1ⓑ)。
Case1
腎不全保存期に発症した後天性反応性穿孔性皮膚症
患者:30歳代、男性。2型糖尿病。
主訴:易疲労感、労作時息切れ。
家族歴:母・祖母に糖尿病。
現病歴:15歳で糖尿病を指摘された。食事療法のみで血糖コントロ—ルは改善し、治療を中断。16歳時に高血糖を指摘され内服治療を開始したが、再度治療を中断。
26歳時に職場の健診で眼底出血を指摘され、近医眼科で光凝固術を施行。内科に通院するも、血糖コントロールは不良であった。29歳時に蛋白尿を指摘され、インスリン療法を開始。30歳時に腎機能低下、31歳時に腎不全が進行し血清クレアチニン6mg/dL台まで上昇したため、当科に紹介された。
受診時、瘙痒を伴う半米粒大から小豆大の角化性丘疹の多発を、ほぼ全身に認めた(図1ⓐ)。透析導入基準を満たしたため、入院後透析を開始した。皮膚病変は皮膚生検を施行して、「後天性反応性穿孔性皮膚症(ARPC)」と診断した。抗ヒスタミン薬の内服と週2回の維持透析を開始。退院後は週3回の維持透析を継続した。同皮疹は徐々に改善し、8カ月後には瘙痒感はほぼなくなった1)(図1ⓑ)。
参考文献
1)三浦順之助,他:糖尿病による慢性腎不全保存期に発症したacquired reactive perforating collagenosisの1例.糖尿病 40(9) : 599-605, 1997.
2) Mehregan AH, et al : Reactive perforating collagenosis. Arch Dermatol. 96(3) : 277-282, 1967. PMID 4166922
3)Faver IR, et al:Acquired reactive perforating collagenosis. Report of six cases and review of the literature. J Am Acad Dermatol 30(4) : 575-580, 1994.
4)川上民裕,他:Reactive perforating collagenosisの1例.皮膚臨床36(2) : 275-278, 1994.
5)坊内良太郎,他:後天性反応性穿孔性皮膚症に厳格な血糖コントロールとアロプリノールが奏功した1型糖尿病慢性腎不全の1例.糖尿病 49(1) : 27-33, 2006.
6)高木聡,他:1型糖尿病患者における手のこわばり症状の頻度と臨床的特徴—DIACET2014調査から.東京女子医科大学雑誌87(臨時増刊2):E227-233, 2017.
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