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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻3号

2018年03月発行

文献概要

特集 糖尿病のリアル—現場の「困った!」にとことん答えます。 連携の要所 ミニQ&A

❷妊娠糖尿病

著者: 和栗雅子1

所属機関: 1地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪母子医療センター 母性内科

ページ範囲:P.382 - P.384

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Q1 妊娠糖尿病の患者さんを、家庭医として診療するためのポイントは?
◦「妊娠中」と「非妊娠時」の糖代謝異常の違い
 妊娠中は、軽度であっても母体の血糖上昇が続けば、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、巨大児に伴う肩甲難産・分娩時外傷、新生児低血糖症・黄疸・呼吸障害など、種々の「周産期合併症」が生じやすくなる。これらを予防するには、可能なかぎり健常妊婦の血糖値に近づけることが必要となる。
 また、胎盤から分泌されるインスリン拮抗ホルモンなどが妊娠中期以降増加するため、週数が進むにしたがいインスリン抵抗性が増大し、血糖が上昇しやすくなる。初診後、血糖値やHbA1cが1〜2回正常内であっても、分娩するまで経過をみる必要がある。

参考文献

1)日本糖尿病学会:妊婦の糖代謝異常.糖尿病診療ガイドライン2016.p367-390, 南江堂, 2016.
2)American Diabetes Association : 13. Management of diabetes in pregnancy. Diabetes Care 40 (Suppl1) : S114-S119, 2017. PMID 27979900
3)O'Sullivan JB : Diabetes mellitus after GDM. Diabetes 40(Suppl 2) : 131-135, 1991. PMID 1748242
4)Bellamy L, et al : Type 2 diabetes mellitus after gestational diabetes ; a systematic review and meta-analysis. Lancet 373(9677) : 1773-1779, 2009. PMID 19465232
5)日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会:日本人の食事摂取基準(2015年版).厚生労働省,2014. http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000041733.html
6)ガイドライン—産科編2014委員会:産婦人科診療ガイドライン—産科編2014.日本産婦人科学会・日本産婦人科医会,2014.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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