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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻3号

2018年03月発行

文献概要

特集 糖尿病のリアル—現場の「困った!」にとことん答えます。 連携の要所 ミニQ&A

❸小児糖尿病

著者: 田久保憲行1

所属機関: 1順天堂大学医学部 小児科学講座

ページ範囲:P.385 - P.388

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Q1 小児1型糖尿病の患者さんを、家庭医として診る時のポイントは?
◦発達段階に応じた最適な治療・教育を
 成人と異なり小児では、患児の発達段階や能力に応じて、最適な治療法を選択することがポイントである1)。食事摂取量が安定しない乳幼児期には、インスリンポンプの導入が有用な場合がある。保育施設や幼稚園に通っていて自己注射などで自己管理ができない場合は、昼食時のインスリン注射をせず、朝食時と夕食時の2回法で治療導入する場合もある。
 就学前の小児には自己管理が難しく、療養者の主体は親であり、糖尿病教育の対象も親中心となる。そのため、家庭の状況や親の理解度を、常に把握することがポイントである。さらに、患児にも発達段階に合わせてわかりやすく説明して理解を促し、成熟度に応じた自己管理を促すことが重要となる(表1)2)

参考文献

1)日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会:小児・思春期糖尿病コンセンサス・ガイドライン.南江堂,2015. 〈小児糖尿病の診断・治療、シックデイでの対応、学校生活での指導など〉
2)青野繁雄:1型糖尿病と歩こう—“この子”への療養指導.医学書院、2003.
3)日本糖尿病学会・日本小児内分泌学会:小児・思春期1型糖尿病の診療ガイド.南江堂,2017. 〈就職・結婚への対応,小児医療から成人医療について〉
4)日本糖尿病学会:糖尿病専門医研修ガイドブック 改訂第7版—日本糖尿病学会専門医取得のための研修必携ガイド.診断と治療社,2017. 〈13章に小児糖尿病に関する診断・治療・支援のあり方について〉
5)Type 1 Diabetes Sourcebook Authors;Chiang JL, et al:Type 1 diabetes through the life span;a position statement of the American Diabetes Association. Diabetes Care 37(7) : 2034-2054, 2014. PMID 24935775 〈米国糖尿病学会による、糖尿病のライフステージ別セルフケア課題について〉
6)Urakami T, et al:Urine glucose screening program at schools in Japan to detect children with diabetes and its outcome-incidence and clinical characteristics of childhood type 2 diabetes in Japan. Pediatr Res 61(2) : 141-145, 2007. PMID 17237712 〈わが国の学校検尿で検出された小児2型糖尿病の発症率と、疾患の特性について〉
7)日本小児内分泌学会(編):小児内分泌学 改訂第2版.診断と治療社,2016.
8)Zeitler P, et al:Type 2 diabetes in the child and adolescent. International Society for Pediatric and Adolescent Diabetes;ISPAD Clinical Practice Consensus Guidelines 2014. Pediatr Diabetes 15(Suppl 20) : 26-46, 2014. PMID 25182306 〈小児2型糖尿病の診断・治療に関するガイドラインについて〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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