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特集 感染症外来診療「賢医の選択」—検査・経口薬・ワクチンをどう使えばいいんですか? 【感染症関連検査のChoosing Wisely—白血球とCRPを越えて】
インフルエンザ迅速抗原検査
著者: 岸田直樹1
所属機関: 1北海道薬科大学
ページ範囲:P.472 - P.475
文献購入ページに移動Pitfall Case
患者:48歳、女性。
2月初旬。救急外来はインフルエンザの患者さんでごった返し、数時間待ちの状態が続いている。本日からの発熱・悪寒を主訴に来院された患者さん。午後から悪寒があり、ベッドがガタガタ揺れて止まらなかったとのこと。その後39℃の発熱が続くため、救急外来に歩いて受診となった。気道症状なし。消化器症状は軽度嘔気のみ。
研修医の身体診察所見:体温38.8℃。貧血・黄疸なし。咽頭発赤・扁桃腺腫脹なし。心・肺雑音なし。
●インフルエンザ迅速抗原検査を行ったところ、「陰性」という結果だった。しかし、熱が出た初日であったため、検査は偽陰性と考え、抗インフルエンザ薬を処方し、帰宅とした。
●3日後に敗血症性ショックで、救急車で再受診となった。
●ウロセプシス(尿路感染症を原因とする敗血症)の診断で入院となった。
患者:48歳、女性。
2月初旬。救急外来はインフルエンザの患者さんでごった返し、数時間待ちの状態が続いている。本日からの発熱・悪寒を主訴に来院された患者さん。午後から悪寒があり、ベッドがガタガタ揺れて止まらなかったとのこと。その後39℃の発熱が続くため、救急外来に歩いて受診となった。気道症状なし。消化器症状は軽度嘔気のみ。
研修医の身体診察所見:体温38.8℃。貧血・黄疸なし。咽頭発赤・扁桃腺腫脹なし。心・肺雑音なし。
●インフルエンザ迅速抗原検査を行ったところ、「陰性」という結果だった。しかし、熱が出た初日であったため、検査は偽陰性と考え、抗インフルエンザ薬を処方し、帰宅とした。
●3日後に敗血症性ショックで、救急車で再受診となった。
●ウロセプシス(尿路感染症を原因とする敗血症)の診断で入院となった。
参考文献
1)Fiore AE : Antiviral agents for the treatment and chemoprophylaxis of influenza ; recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP). MMWR Recomm Rep 60(1) : 1-24, 2011. PMID 21248682
2)Chartrand C, et al : Accuracy of Rapid Influenza Diagnostic Tests ; a Meta-analysis. Ann Intern Med 156(7) : 500-511, 2012. PMID 22371850
3)Steininger C, et al : Near-patient assays for diagnosis of influenza virus infection in adult patients. Clin Microbiol Infect 15(3) : 267-273, 2009. PMID 19183404
4)岸田直樹:間違いだらけ!インフルの正しい「怖がり方」—「検査もしないし薬ものまない」という選択肢.東洋経済オンライン,2016年12月9日. http://toyokeizai.net/articles/-/147605
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