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文献概要
特集 感染症外来診療「賢医の選択」—検査・経口薬・ワクチンをどう使えばいいんですか? 【感染症に対する経口薬のChoosing Wisely—適正使用のコツ】
経口第三世代セフェム系薬および経口カルバぺネム系薬
著者: 忽那賢志1
所属機関: 1国立国際医療研究センター 国際感染症センター・国際感染症対策室
ページ範囲:P.499 - P.502
文献購入ページに移動Pitfall Case1
患者:30代、男性。
現病歴:特に基礎疾患はない。4カ月前からう歯の治療をしている。3カ月前から微熱と倦怠感が出現するようになり、2カ月前に近医を受診した。風邪との診断で抗菌薬(セフカペンピボキシル)を処方され、様子を見ていた。抗菌薬を内服すると数日で解熱が得られるが、内服を止めてしばらくするとまた微熱と倦怠感が出現するため、近医を受診して抗菌薬(セフカペンピボキシル)を処方してもらうことを繰り返していた。徐々に倦怠感が増強し、労作時呼吸苦も出現してきたため、救急車を要請して当院に救急搬送された。
来院後の経過:来院時38℃台の発熱があり、聴診上心雑音が聴取された。歯科治療歴と併せて、感染性心内膜炎が疑われたため、経胸壁心臓超音波検査を行ったところ、僧帽弁に疣贅を認めた。来院時に採取された血液培養からは細菌は検出されなかったが、3日後に改めて採取した血液培養からは、緑色レンサ球菌(viridans Streptococcus)が検出され、感染性心内膜炎と診断された。
患者:30代、男性。
現病歴:特に基礎疾患はない。4カ月前からう歯の治療をしている。3カ月前から微熱と倦怠感が出現するようになり、2カ月前に近医を受診した。風邪との診断で抗菌薬(セフカペンピボキシル)を処方され、様子を見ていた。抗菌薬を内服すると数日で解熱が得られるが、内服を止めてしばらくするとまた微熱と倦怠感が出現するため、近医を受診して抗菌薬(セフカペンピボキシル)を処方してもらうことを繰り返していた。徐々に倦怠感が増強し、労作時呼吸苦も出現してきたため、救急車を要請して当院に救急搬送された。
来院後の経過:来院時38℃台の発熱があり、聴診上心雑音が聴取された。歯科治療歴と併せて、感染性心内膜炎が疑われたため、経胸壁心臓超音波検査を行ったところ、僧帽弁に疣贅を認めた。来院時に採取された血液培養からは細菌は検出されなかったが、3日後に改めて採取した血液培養からは、緑色レンサ球菌(viridans Streptococcus)が検出され、感染性心内膜炎と診断された。
参考文献
1)Baciewicz AM, et al : Update on rifampin and rifabutin drug interactions. Am J Med Sci 335(2) : 126-136, 2008. PMID 18277121
2)Ishikawa K, et al : Japanese nationwide surveillance in 2011 of antibacterial susceptibility patterns of clinical isolates from complicated urinary tract infection cases. J Infect Chemother 21(9) : 623-633, 2015. PMID 26166322
3)忽那賢志:「だいたいウンコになる」抗菌薬にご用心! 日経メディカル Aナーシング,2015.
4)忽那賢志:使ってはいけない!抗菌薬,なくてもよいのではないか?という抗菌薬—「処方を憎んでクスリを憎まず」.総合診療26(6) : 478-480, 2016.
5)Casey JR, et al : Meta-analysis of cephalosporins versus penicillin for treatment of group A streptococcal tonsillopharyngitis in adults. Clin Infect Dis 38(11) : 1526-1534, 2004. PMID 15156437
6)日本耳科学会,他(編):小児急性中耳炎ガイドライン2013年版.金原出版,2013.
7)尾内一信,他:小児肺炎の外来治療における新規経口抗菌薬の影響.The Japanese journal of antibiotics 67(3) : 157-166, 2014.
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