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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻4号

2018年04月発行

文献概要

特集 感染症外来診療「賢医の選択」—検査・経口薬・ワクチンをどう使えばいいんですか? 【感染症に対する経口薬のChoosing Wisely—適正使用のコツ】

マクロライド

著者: 藤友結実子1 具芳明1

所属機関: 1国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター

ページ範囲:P.503 - P.507

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Pitfall Case
患者:21歳、男性(大学生)。
既往歴:特になし。
現病歴:1週間ほど前から鼻汁、咽頭違和感、咳嗽が出現。5日前に悪寒があり、39℃台の発熱があった。2日前の朝に解熱したため、大学に行って授業を受けたところ、夜間より再度発熱。昨夜も発熱したが、今朝は解熱していた。咳が3日前からひどくなっているが、痰はあまり絡まない。受診日も日中は大学の授業に出ていたが、咳が続くため、夕方病院を受診。
身体所見:体温38.7℃。SpO2 97%(room air)。咽頭発赤あり、後鼻漏なし。両側肺野の呼吸音はやや減弱しているが、ラ音は聴取しない。呼吸数18回/分。胸部X線写真で右側優位に両側に浸潤影を認めた。咽頭ぬぐい液LAMP(loop-mediated isothermal amplification)法を用いた迅速診断で、マイコプラズマ陽性であった。

参考文献

1)日本呼吸器学会成人肺炎診療ガイドライン2017作成委員会(編):成人肺炎診療ガイドライン2017.日本呼吸器学会,2017.
2)松森浩士:マクロライド系抗菌薬の現状と展望.歯薬療法20(2) : 69-77, 2001.
3)明石敏:マクロライド形抗菌薬を中心に.日薬理誌130(4) : 294-298, 2007.
4)青木眞:レジデントのための感染症診療マニュアル第3版.医学書院,2015.
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6)Miyashita N, et al : Macrolide-resistant Mycoplasma pneumoniae pneumonia in adolescents and adults ; clinical findings, drug susceptibility, and therapeutic efficacy. Antimicrob Agents Chemother 57(10) : 5181-5185, 2013. PMID 23896480
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9)Suzuki S, et al : Clinical evaluation of macrolide-resistant Mycoplasma pneumoniae. Antimicrob Agents Chemother 50(2) : 709-712, 2006. PMID 16436730
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13)厚生労働省:薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン2016-2020, 2016. www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000120769.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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