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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻4号

2018年04月発行

文献概要

特集 感染症外来診療「賢医の選択」—検査・経口薬・ワクチンをどう使えばいいんですか? 【感染症に対する経口薬のChoosing Wisely—適正使用のコツ】

フルオロキノロン

著者: 山本舜悟1

所属機関: 1京都大学医学部附属病院臨床研究教育・研修部

ページ範囲:P.508 - P.510

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Pitfall Case
尿路感染症にはキノロンでしょ?
患者:6週間前に大腸菌による膀胱炎の既往がある(レボフロキサシンで治療)、39歳、女性。
現病歴:受診前日から排尿時痛と右腰背部痛があった。翌日になり、急に寒気があり身体が震えた後に、39℃の発熱が出てきた。A診療所を受診し、急性腎盂腎炎の診断でレボフロキサシンを処方された。2日経っても熱が下がらず、フラフラして歩けなくなったので救急搬送された。救急外来受診時、血圧80/50mmHg、脈拍数120回/分、体温38.5℃、呼吸数24回/分だった。膿尿があり、尿グラム染色ではグラム陰性桿菌が見えた。血液培養採取後にセフメタゾールで治療を開始した。造影CTでは右腎膿瘍を疑う所見が見られた。血液培養と、尿培養から、レボフロキサシンのみに耐性の大腸菌が検出された。

参考文献

1)厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業(JANIS):公開情報2016年1月〜12月年報(全集計対象医療機関)院内感染対策サーベイランス 検査部門.2017. https://janis.mhlw.go.jp/report/open_report/2016/3/1/ken_Open_Report_201600.pdf.
2)MacFadden DR, et al : Predictive utility of prior positive urine cultures. Clinical Infectious Diseases 59(9) : 1265-1271, 2014. PMID 25048850
3)国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部:フルオロキノロン系抗菌薬;一部の単純性感染症への使用制限をFDAが勧告.医薬品安全性情報14(11) : 11-13, 2016.
4)Republished from the medical letter on drugs and therapeutics : Alternatives to fluoroquinolones. JAMA 316(13) : 1404-1405, 2016. PMID 27701658
5)青木眞:レジデントのための感染症診療マニュアル,第3版.pp156-164,医学書院,2015.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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