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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻4号

2018年04月発行

文献概要

特集 感染症外来診療「賢医の選択」—検査・経口薬・ワクチンをどう使えばいいんですか? 【感染症予防ワクチンのChoosing Wisely—予防医療のエキスパートになる】

小児のワクチン

著者: 笠井正志1

所属機関: 1兵庫県立こども病院小児感染症科

ページ範囲:P.511 - P.513

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Case
熱性けいれんを起こしたのですが、ワクチンは大丈夫でしょうか?
患者:生後1歳、女児。
現病歴:生後10カ月時、熱を出してけいれんし、近くの総合病院に入院した。今回は定期接種としてMR(麻疹風疹)ワクチンが予定されているが、打っても大丈夫なのか心配で受診。
発育発達:健診では異常を指摘されたことはない。
予防接種歴:やるべきものはすべて接種した。
家族歴:父と姉(2歳6カ月、保育園児)に熱性けいれんの既往がある。
生活歴:両親・姉の4人家族。

参考文献

1)日本小児神経学会(監修),熱性けいれん診療ガイドライン策定委員会(編):熱性けいれん診療ガイドライン2015.pp73-80,診断と治療社,2015.
2)Kimberlin DW, et al.2015/岡部信彦(監修):最新感染症ガイド—R-Book 2015.p89,日本小児医事出版社,2016.
3)Kohl KS, et al : Fever after immunization ; current concepts and improved future scientific understanding. Clin Infect Dis 39(3) : 389-394, 2004. PMID 15307007 〈ワクチン後の発熱について、包括的な総説。ワクチン後に発熱すると、医療機関受診が2倍に、両親のどちらかが仕事できないことが3倍になる、という経済面の問題などについても言及している。また両親は、ワクチン後の発熱を避けるためであれば、「喜んで」 50 USドル(幅、0〜9999USドル、平均261 USドル)を支払うらしい。熱全般についてもさまざま問題提起されている。読み物としても面白い〉
4)Cendes F, et al:Vaccinations and febrile seizures. Epilepsia 52(Suppl 3) : 23-25, 2011. PMID 21542842 〈ワクチンと熱性けいれんの関連性に関する総説。Dravet syndromeの1/3は予防接種後の発熱を契機に起こることや、ワクチンによる熱性けいれんは、他の熱性けいれんと何ら変わらないこと等が述べられている〉
5)菅 秀,他:基礎疾患をもつ患児に対する予防接種—血液疾患と予防接種.小児感染免疫19(4):413-419, 2007. 〈血液疾患と予防接種、神経疾患と予防接種、感染症と予防接種、の3つの総説。やや古いが、日本のエキスパートが書いたもの。10年前の雰囲気や、「エキスパートはこういうことを考えていた」ということもわかる〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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