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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻4号

2018年04月発行

文献概要

オール沖縄!カンファレンス・16

「先生、まだ胸が痛いんです」

著者: 伊集広城1 徳田安春2

所属機関: 1南部徳洲会病院循環器科 2臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄センター

ページ範囲:P.586 - P.590

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CASE
患者:47歳、女性。
主訴:胸痛。
既往歴:甲状腺機能亢進症(20歳台で投薬加療歴はあるが、現在はなし)、気管支喘息。
生活社会歴:職業は事務員。飲酒・喫煙歴なし。
家族歴:母・姉に気管支喘息。
現病歴:現在は特に病院の定期通院はない。職場健診では特記すべき異常は指摘されていない。来院当日の朝、起床後に突然発症の胸痛が出現し、改善がないとのことで救急要請され、当院へ搬送となった。胸痛は朝から徐々に増悪傾向であり、胸骨背面に手掌大の範囲に鈍い痛みを感じる。放散痛はなく、呼吸や体位での症状の変化はない。

参考文献

1)日本循環器学会,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン 冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版).2013. 〈日本循環器学会,他が提言している,冠攣縮性狭心症の基本的なガイドライン〉
2)厚生労働省:厚生労働省循環器病委託研究費 虚血性心疾患における冠攣縮の役割に関する研究平成12年度研究報告書.2000. 〈冠攣縮性狭心症に関する疫学のデータ〉
3)Wei JY, et al : Coronary spasm with ventricular fibrillation during thyrotoxicosis ; response to attaining euthyroid state. Am J Cardiol 43(2) : 335-339, 1979. PMID 104611 〈甲状腺機能亢進症と冠攣縮性狭心症に関して記述した,おそらく最も古い論文〉
4)根木 謙,他:甲状腺機能亢進症が誘引となり冠攣縮性狭心症から心室細動をきたした1例.心臓 45(Suppl2):32-36, 2013. 〈症例報告のみならず,甲状腺機能亢進症と冠攣縮性狭心症の関連について,各種論文が多数まとめられている〉
5)Al Jaber J, et al : Thyrotoxicosis and coronary artery spasm ; case report and review of the literature. Angiology 61(8) : 807-812, 2010. PMID 20498149 〈冠攣縮性狭心症と診断後に甲状腺機能亢進症が判明した患者の症例報告〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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