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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻4号

2018年04月発行

文献概要

55歳からの家庭医療|明日から地域で働く技術とエビデンス・16

—「病い」へのアプローチ3—Clinical Method in Family Medicine:SALUTOGENESIS

著者: 藤沼康樹1

所属機関: 1医療福祉生協連 家庭医療学開発センター

ページ範囲:P.591 - P.595

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 医師ならば誰でも知っているテクニカルタームに、「pathogenesis」という言葉があります。これは「病因論」と訳され、疾患がどのような原因とメカニズムで生じるのかについて、微生物学や生化学、生理学、病理学などの諸領域の成果で説明することと言えます。
 医学教育において、pathogenesisに関して獲得しなければならない知識量は膨大で、多くの時間を費やします。そのためか、医師は比較的自然に「健康とは疾患がない状態のことである」という前提に立っている場合が多いです。疾患を診断し治療することで健康な状態が得られる、というふうに考えがちなのです。そして、「健康であること」が実際には何を意味しているのか、ということについては、あまり深く追求しないものです。

参考文献

1)Aaron Antonovsky. 1987/山崎喜比古,吉井清子(監訳):健康の謎を解く—ストレス対処と健康保持のメカニズム.有信堂高文社,2001.
2)蝦名玲子:困難を乗り越える力—はじめてのSOC. PHP研究所,2012.
3)Hollnagel H, et al : Shifting attention from objective risk factors to patients' self-assessed health resources ; a clinical model for general practice. Fam Pract 12(4) : 423-429, 1995. PMID 8826059
4)Levenstein JH, McWhinney IR, et al : The patient-centred clinical method. 1. A model for the doctor-patient interaction in family medicine. Fam Pract 3(1) : 24-30, 1986. PMID 3956899

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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