文献詳細
文献概要
What's your diagnosis?[187]
吾輩も曖昧なZである!
著者: 吉田常恭1 酒見英太1
所属機関: 1洛和会音羽病院総合内科
ページ範囲:P.880 - P.884
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患者:狭心症や陳旧性脳梗塞の既往があるものの、IADL(instrumental activities of daily living)まで自立した、70歳の非喫煙・非飲酒男性。
主訴:嗄声。
現病歴:来院約1カ月前に発熱と咽頭痛があり、近医で風邪として対処(詳細不明)されて4日程でそれらは改善した。来院14日前から嗄声が出現し、軽度のむせ込みや右耳痛も加わったため、近医耳鼻科を受診して喉頭ファイバーを受けたところ、「右声帯の動きが悪い」と言われ、メチルコバラミンが処方された。しかし2週間経過しても嗄声とむせ込みは改善しなかったため、精査目的で当科に紹介となった。発熱、盗汗、食思不振、体重減少、咳・痰、呼吸苦、頭痛、複視、構音障害、めまい・難聴、味覚障害、筋力低下、感覚障害はない。
既往歴:陳旧性脳梗塞(67歳、後遺症なし)、狭心症(67歳、PCI[経皮的冠動脈形成術]後)、高血圧症、脂質異常症、慢性便秘症。薬物・食物アレルギーはない。
薬剤歴:アスピリン、ランソプラゾール、アムロジピン、エナラプリル、アトルバスタチン、モサプリド、酸化マグネシウム、センノシド、メチルコバラミン。
患者:狭心症や陳旧性脳梗塞の既往があるものの、IADL(instrumental activities of daily living)まで自立した、70歳の非喫煙・非飲酒男性。
主訴:嗄声。
現病歴:来院約1カ月前に発熱と咽頭痛があり、近医で風邪として対処(詳細不明)されて4日程でそれらは改善した。来院14日前から嗄声が出現し、軽度のむせ込みや右耳痛も加わったため、近医耳鼻科を受診して喉頭ファイバーを受けたところ、「右声帯の動きが悪い」と言われ、メチルコバラミンが処方された。しかし2週間経過しても嗄声とむせ込みは改善しなかったため、精査目的で当科に紹介となった。発熱、盗汗、食思不振、体重減少、咳・痰、呼吸苦、頭痛、複視、構音障害、めまい・難聴、味覚障害、筋力低下、感覚障害はない。
既往歴:陳旧性脳梗塞(67歳、後遺症なし)、狭心症(67歳、PCI[経皮的冠動脈形成術]後)、高血圧症、脂質異常症、慢性便秘症。薬物・食物アレルギーはない。
薬剤歴:アスピリン、ランソプラゾール、アムロジピン、エナラプリル、アトルバスタチン、モサプリド、酸化マグネシウム、センノシド、メチルコバラミン。
参考文献
1)Feierabend RH, et al : Hoarseness in adults. Am Fam Physician 80(4) : 363-370, 2009. PMID 19678604 〈成人の嗄声の鑑別やマネジメントがまとめられている論文.一読の価値あり〉
2)Cohen JI : Clinical practice ; herpes zoster. N Engl J Med 369(3) : 255-263, 2013. PMID 23863052 〈水痘帯状疱疹ウイルスについてのレビュー.神経合併症についてもまとめられている網羅的な論文〉
3)Nisa L, et al : Pharyngolaryngeal involvement by varicella-zoster virus. J Voice 27(5) : 636-641, 2013. PMID 23769009 〈水痘帯状疱疹ウイルスによる舌咽神経麻痺,迷走神経麻痺についてのシステマティックレビュー.咽頭痛出現時に咽頭に水疱形成をきたすことが多いという〉
4)Naqel MA, et al : Complications of varicella zoster virus reactivation. Curr Treat Options Neurol 15(4) : 439-453, 2013. PMID 23794213 〈水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化した際の各種合併症の診断と治療がまとめられている〉
5)松村理司・酒見英太(編),京都GIMカンファレンス(著):診断力強化トレーニング・2—What's your diagnosis? pp218-221,医学書院,2015.
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