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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻8号

2018年08月発行

ジェネラリスト漢方Basics|東西2つの視点でアプローチ・8

「だるいし微熱があるのに、退院させられました…」—気虚;元気のない状態

著者: 岡部竜吾1

所属機関: 1伊那市国保美和診療所

ページ範囲:P.1135 - P.1137

文献概要

 本連載では以前、漢方において“気”とは、人が死ぬと消えてしまう機能であると説明した。その“気”を高める機能を持つとされる生薬の代表が朝鮮人参だが、本連載タイトルの左上にあるイラストは「オバケ」や「謎の海洋生物」ではなく、まさに朝鮮人参を表している。
 朝鮮人参の学名はPanax ginsengで、「Panax」とは、ギリシャ語の「pan(汎、全)」と「axos(薬)」から成り、“万能薬”の意味を持つ。朝鮮人参は野生株の採取は困難で、主に栽培される。私の住む長野県も朝鮮人参の産地だが、出荷できるまでに4〜6年を要し、採取した後の農地は痩せてしまうため、安定的な供給には広大な農地を要する。このことを考えても、無駄な漢方薬の処方は慎みたくなる。

参考文献

1)稲木一元,松田邦夫:ファーストチョイスの漢方薬.p8,南山堂,2006. <適応疾患,使用頻度を考慮して,簡便に記載されている.漢方の初学者向け>

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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