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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻9号

2018年09月発行

文献概要

特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして 【診断する!初期治療を行う!】 【診断コラム】

どこまで検査すれば「原発不明がん」になるの?

著者: 髙濱隆幸1

所属機関: 1近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門

ページ範囲:P.1212 - P.1213

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Q1 「原発不明がん」って何?
 原発不明がんは、「転移性悪性腫瘍であることが組織学的に証明されている腫瘍のうち、治療前の評価期間中に原発巣を同定できないもの」と定義されています1)。一般の患者さんの認知度も低い疾患ですが、がんと診断されたなかの約1〜5%は原発不明がんであると言われています。
 発見される際のプレゼンテーションはさまざまです。たとえば「リンパ節腫大」「腹水貯留」「胸部異常陰影」などで発見されることもあります。原発巣が見つからないため、主に担当する診療科が決まらずに“たらい回し”が起こり、治療がなかなか始まらないなど、患者さんが困っていることも少なくありません。

参考文献

, 2017. https://www2.tri-kobe.org/nccn/guideline/occult/japanese/occult.pdf(2018年8月8日現在)〈腫瘍内科医が参考にするガイドライン。困った時には一読するようにしています〉
2)Briasoulis E, et al : Carboplatin plus paclitaxel in unknown primary carcinoma ; a phase Ⅱ Hellenic Cooperative Oncology Group Study. J Clin Oncol 18(17) : 3101-3107, 2000. PMID 10963638〈原発不明がんに対する全身薬物療法として汎用されているレジメン〉
3)Varghese AM, et al : Clinical and molecular characterization of patients with cancer of unknown primary in the modern era. Ann Oncol 28(12) : 3015-3021, 2017. PMID 29045506〈原発不明がんの原発巣を遺伝子診断できないか検討した研究。まだ実現には課題が多い〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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