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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻9号

2018年09月発行

文献概要

特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして 【診断する!初期治療を行う!】 【診断コラム】

「悪い知らせ」はどう伝えればいい?—SHAREプロトコル

著者: 竹内麻理1

所属機関: 1慶應義塾大学病院 緩和ケアセンター

ページ範囲:P.1214 - P.1215

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Q1 「難治がん」の診断をどう伝えればいい?
 改めて言うまでもないが、医学は科学であり、“エビデンス”に基づいた正確な診断・適切な治療を行うことが必要である。しかし、がんの診断などの「悪い知らせ(bad news)」を伝える際には、正確さだけではなく、患者を1人の人間として思いやりながら説明するという、“アート”の部分も大切である(p.1189)。患者の気持ちに配慮した伝え方は、医師‐患者間の信頼関係の構築にもつながり、患者の精神的ケアに大きく関わってくる。このアートの部分を、どう磨き上げていけばよいのだろうか? その1つの方法として、コミュニケーションスキル「SHARE」を紹介したい。
 コミュニケーションに関する患者の意向には文化差があり1)、「日本人」に適した方法として開発されたのがSHAREである。がん患者やがん治療専門医を対象に調査し、悪い知らせを伝えられる際に望むコミュニケーションとしてあげられた4つの因子(表1)の頭文字をとってSHAREと呼んでいる2)。SHAREを用いたコミュニケーション技術研修会が各地で開催されており、トレーニングの有効性は、がん治療医を対象としたランダム化比較試験にて、患者の抑うつ低減などにも有用であることが示されている3)

参考文献

1)Fujimori M, et al:Japanese cancer patients' communication style preferences when receiving bad news. Psychooncology 16(7) : 617-625, 2007. PMID 17006968
2)内富庸介,他(編):がん医療におけるコミュニケーション・スキル.医学書院,2007.
3)Fujimori M, et al:Effect of communication skills training program for oncologists based on patient preferences for communication when receiving bad news ; a randomized controlled trial. J Clin Oncol 32(20):2166-2172, 2014. PMID 24912901

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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