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特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして 【治療に関わる!連携する!】
多職種連携と意思決定支援❶病院総合医(ホスピタリスト)編—人生の最終段階における意思決定と地域連携
著者: 高山義浩1
所属機関: 1沖縄県立中部病院 感染症内科
ページ範囲:P.1226 - P.1229
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人生の最終段階において「施設療養」を希望している症例
患者:78歳、女性。3年前から有料老人ホーム入所中。肝内胆管がんに対する化学療法を継続してきたが、本人の意思により終了して施設に戻っていた。長女が、施設近隣に在住。夫は5年前に他界。
現病歴:数日前から経口摂取しなくなったとのことで、再入院となった。本人は衰弱しており、声かけに開眼するが発語はない。悪心・嘔吐・腹痛などの消化器症状はなく、過度に負担をかけない範囲で精査したが、進行がんによる「悪液質症候群」と考えられた。施設の担当者(介護福祉士)は「食べられないのであれば、経管栄養を開始するのがよい」と考えている。一方、子どもたちは「自然経過に任せるのがよい」と考えている。
人生の最終段階において「施設療養」を希望している症例
患者:78歳、女性。3年前から有料老人ホーム入所中。肝内胆管がんに対する化学療法を継続してきたが、本人の意思により終了して施設に戻っていた。長女が、施設近隣に在住。夫は5年前に他界。
現病歴:数日前から経口摂取しなくなったとのことで、再入院となった。本人は衰弱しており、声かけに開眼するが発語はない。悪心・嘔吐・腹痛などの消化器症状はなく、過度に負担をかけない範囲で精査したが、進行がんによる「悪液質症候群」と考えられた。施設の担当者(介護福祉士)は「食べられないのであれば、経管栄養を開始するのがよい」と考えている。一方、子どもたちは「自然経過に任せるのがよい」と考えている。
参考文献
1)Clegg A, et al : Frailty in elderly people. Lancet 381(9868) : 752-762, 2013. PMID 23395245
2)Sudore RL, et al : Defining Advance Care Planning for Adults ; A Consensus Definition From a Multidisciplinary Delphi Panel. J Pain Symptom Manage 53(5) : 821-832, 2017. PMID 28062339
3)Scott IA, et al : Cautionary tales in the interpretation of clinical studies involving older persons. Arch Intern Med 170(11) : 927, 2010. PMID 20386001
4)Sessums LL, et al : Does this patient have medical decision-making capacity? JAMA 306(4) : 420-427, 2011. PMID 21791691
5)日本弁護士連合会:医療同意能力がない者の医療同意代行に関する法律大綱.2011年.https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/111215_6.pdf
6)厚生労働省:人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン.2018年. http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10802000-Iseikyoku-Shidouka/0000197701.pdf
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