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文献概要
特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして 【緩和“治療”は任せて!】
できるようになりたい! 症状マネジメントのツボ❶疼痛
著者: 柏木秀行1
所属機関: 1麻生飯塚病院 緩和ケア科
ページ範囲:P.1240 - P.1243
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患者:29歳、女性。
生活歴:夫・4人の子どもと6人暮らし。
現病歴:左腸腰筋転移を伴う子宮頸がん(臨床病期:ⅣB)と診断され、がん化学療法を継続している。腸腰筋への転移が原因の左大腿部の痛みが出現し、左下肢の進展が困難となった。婦人科の入院主治医は、WHO(世界保健機関)方式の三段階除痛ラダーにしたがって疼痛緩和を行っていた。NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に加え、オキシコドンを導入し、副作用に留意しながら徐々に増量していた。
子どもが幼いこともあり、できるだけ自宅で過ごしたいという希望から、外来化学療法を行いながら自宅で症状緩和を行うこととなった。訪問診療を行っているプライマリ・ケア医は、在宅での緩和ケアを開始した。
その後、下肢の痛みは徐々に増強し、しびれも伴うようになった。オピオイドを増量しても症状は増強し、生活への影響も大きくなっていた。鎮痛補助薬としてプレガバリンを追加したが、それでも十分な鎮痛が得られなかった。地域の緩和ケアに関する勉強会や、独学で学んだ基本的な緩和ケアで十分な症状緩和ができず、プライマリ・ケア医は途方に暮れてしまった。
患者:29歳、女性。
生活歴:夫・4人の子どもと6人暮らし。
現病歴:左腸腰筋転移を伴う子宮頸がん(臨床病期:ⅣB)と診断され、がん化学療法を継続している。腸腰筋への転移が原因の左大腿部の痛みが出現し、左下肢の進展が困難となった。婦人科の入院主治医は、WHO(世界保健機関)方式の三段階除痛ラダーにしたがって疼痛緩和を行っていた。NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に加え、オキシコドンを導入し、副作用に留意しながら徐々に増量していた。
子どもが幼いこともあり、できるだけ自宅で過ごしたいという希望から、外来化学療法を行いながら自宅で症状緩和を行うこととなった。訪問診療を行っているプライマリ・ケア医は、在宅での緩和ケアを開始した。
その後、下肢の痛みは徐々に増強し、しびれも伴うようになった。オピオイドを増量しても症状は増強し、生活への影響も大きくなっていた。鎮痛補助薬としてプレガバリンを追加したが、それでも十分な鎮痛が得られなかった。地域の緩和ケアに関する勉強会や、独学で学んだ基本的な緩和ケアで十分な症状緩和ができず、プライマリ・ケア医は途方に暮れてしまった。
参考文献
1)Nakazawa Y, et al : Improved knowledge of and difficulties in palliative care among physicians during 2008 and 2015 in Japan ; association with a nationwide palliative care education program. Cancer 124(3) : 626-635, 2018. PMID 29023634
2)World Health Organization : Cancer pain relief ; with a guide to opioid availability, 2ed. World Health Organization Geneva, 1996.
3)日本医師会(監修):がん緩和ケアガイドブック 新版.青海社,2017.
4)Agar M, et al : The management of malignant psoas syndrome ; case reports and literature review. J Pain Symptom Manage 28(3) : 282-293, 2004. PMID 15336342
5)Stevens MJ, Gonet YM : Malignant psoas syndrome; recognition of an oncologic entity. Australas Radiol 34(2) : 150-154, 1990. PMID 2241667
6)柏木秀行,牧野毅彦:放射線治療により良好な鎮痛を得た悪性腸腰筋症候群の1例.日本ペインクリニック学会誌21(2) : 137-140, 2014.
7)Zimmerman B : Ralph Stacey's agreement & certainty matrix. 2001.
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