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文献概要
特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして 【緩和“治療”は任せて!】
できるようになりたい! 症状マネジメントのツボ❹せん妄
著者: 原澤慶太郎1
所属機関: 1はな医院
ページ範囲:P.1252 - P.1254
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患者:72歳、男性。農協で経理の仕事をしていた。大腸がん・肺転移。
現病歴:半年前に、繰り返す下痢と便秘に対し精査し、進行大腸がんおよび肺転移を指摘された。手術適応なく外来通院していたが、徐々に経口摂取量低下、その後、急激な疼痛増悪あり、オキシコドン(オキシコンチン®)内服20mgから30mgに増量された。夜間に「もういいんだ、殺してくれ」「小さな子どもが歩き回っている」などと叫ぶようになり、リスペリドン(リスパダール®)0.5mg頓用が処方されたが、あまり奏功していない。日中もモゾモゾしていて意思疎通が難しく、外来通院も困難となった。「きちんとしていたお父さんが、まるで別人のようで見ていてつらい」とご家族が外来受診され、主治医と相談し在宅医療導入となった。
患者:72歳、男性。農協で経理の仕事をしていた。大腸がん・肺転移。
現病歴:半年前に、繰り返す下痢と便秘に対し精査し、進行大腸がんおよび肺転移を指摘された。手術適応なく外来通院していたが、徐々に経口摂取量低下、その後、急激な疼痛増悪あり、オキシコドン(オキシコンチン®)内服20mgから30mgに増量された。夜間に「もういいんだ、殺してくれ」「小さな子どもが歩き回っている」などと叫ぶようになり、リスペリドン(リスパダール®)0.5mg頓用が処方されたが、あまり奏功していない。日中もモゾモゾしていて意思疎通が難しく、外来通院も困難となった。「きちんとしていたお父さんが、まるで別人のようで見ていてつらい」とご家族が外来受診され、主治医と相談し在宅医療導入となった。
参考文献
1)日本緩和医療学会:終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン—2013年版.金原出版,2013. https://www.jspm.ne.jp/guidelines/glhyd/2013/index.php?isbn=9784307101592
2)Gagnon P, et al : Delirium prevention in terminal cancer ; assessment of a multicomponent intervention. Psychooncology 21(2) : 187-194, 2012. PMID 22271539
3)Mercadante S, et al : Palliative sedation in patients with advanced cancer followed at home ; a systematic review. J Pain Symptom Manage 41(4) : 754-760, 2011. PMID 21227633
4)日本緩和医療学会:苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン—2010年版.金原出版,2010. https://www.jspm.ne.jp/guidelines/sedation/2010/index.php
5)Overshott R, et al : Cholinesterase inhibitors for delirium. Cochrane Database Syst Rev(1) : CD005317, 2008. PMID 18254077
6)Otani H, et al : Usefulness of the leaflet-based intervention for family members of terminally ill cancer patients with delirium. J Palliat Med 16(4) : 419-422, 2013. PMID 23477302
7)Morita T, et al : Terminal delirium ; recommendations from bereaved families' experiences. J Pain Symptom Manage 34(6) : 579-589, 2007. PMID 17662572
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