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文献概要
特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして 【がん診療の進歩Q&A】
新たな概念「geriatric oncology」(高齢者のがん診療)とは?
著者: 後藤悌1
所属機関: 1国立がんセンター中央病院 呼吸器内科
ページ範囲:P.1258 - P.1260
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オシメルチニブにより粘膜障害を起こした一例
患者:84歳、男性。EGFR陽性・多発肺転移の非小細胞肺がん。
現病歴:ゲフィチニブによる治療を受けており、「爪囲炎」のため日常生活に支障も出ており、繰り返し減量・休薬を打診したが、たっての希望で継続していた。
多発肺転移の増大を認めたため、気管支鏡による再生検を実施したところ、EGFR T790M遺伝子変異があったため、オシメルチニブ通常量80mg/日を開始した。開始後7日目から「角膜炎」「口内炎」「胃炎」の症状を呈していたが、減量の打診を恐れて来院せず、10日目に緊急受診・入院となった。2週間の休薬にて症状は改善し、40mg隔日投与から再開し、大きな有害事象もなく経過している。
オシメルチニブにより粘膜障害を起こした一例
患者:84歳、男性。EGFR陽性・多発肺転移の非小細胞肺がん。
現病歴:ゲフィチニブによる治療を受けており、「爪囲炎」のため日常生活に支障も出ており、繰り返し減量・休薬を打診したが、たっての希望で継続していた。
多発肺転移の増大を認めたため、気管支鏡による再生検を実施したところ、EGFR T790M遺伝子変異があったため、オシメルチニブ通常量80mg/日を開始した。開始後7日目から「角膜炎」「口内炎」「胃炎」の症状を呈していたが、減量の打診を恐れて来院せず、10日目に緊急受診・入院となった。2週間の休薬にて症状は改善し、40mg隔日投与から再開し、大きな有害事象もなく経過している。
参考文献
1)Jaiswal S, et al : Age-related clonal hematopoiesis associated with adverse outcomes. N Engl J Med 371(26) : 2488-2498, 2014. PMID 25426837
2)Lichtman SM, et al : Geriatric oncology ; an overview. J Clin Oncol 32(24) : 2521-2522, 2014. PMID 25071127
3)Hurria A, et al : Improving the evidence base for treating older adults with cancer ; American Society of Clinical Oncology Statement. J Clin Oncol 33(32) : 3826-3833, 2015. PMID 26195697
4)Talarico L, et al : Enrollment of elderly patients in clinical trials for cancer drug registration ; a 7-year experience by the US Food and Drug Administration. J Clin Oncol 22(22) : 4626-4631, 2004. PMID 15542812
5)Wildiers H, et al : International Society of Geriatric Oncology consensus on geriatric assessment in older patients with cancer. J Clin Oncol 32(24) : 2595-2603, 2014. PMID 25071125
6)日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG):ポリシーNo.39 高齢者研究.JCOG,2016. http://www.jcog.jp/basic/policy/A_020_0010_39.pdf
7)日本肺癌学会:EBMの手法による 肺癌診療ガイドライン2017年版.日本肺癌学会,2017. https://www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3
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