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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻9号

2018年09月発行

文献概要

特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして 【がん診療の進歩Q&A】

「分子標的薬」と「免疫チェックポイント阻害薬」の功罪—これまでの化学療法とどう違うのか?

著者: 加藤晃史1

所属機関: 1神奈川県立がんセンター 呼吸器内科

ページ範囲:P.1261 - P.1264

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新しいがん薬物療法の時代到来
◦治療成績の劇的改善
 がん薬物療法の開発は、無機化合物である細胞傷害性抗がん薬(cytotoxic chemotherapy)から始まった。しかし、細胞特異性が低く、正常細胞への影響から、骨髄抑制に伴う易感染性や脱毛、悪心などが避けられなかった。
 1990年代から「がん生物学」、特に細胞増殖に関わる分子メカニズムの解明を背景として、種々の「分子標的薬(molecular targeted therapy)」(p.1219)が開発された。続いて、2010年代になり「がん免疫学」の発展により、ヒト免疫機構からがん細胞が逃避する機構が解明され、逃避メカニズムを抑制する「免疫チェックポイント阻害薬(immune check point inhibitor)」が開発され、劇的に治療成績が改善している。なかでも、従来の細胞傷害性抗がん薬では治療効果の乏しかった「慢性骨髄性白血病」「悪性黒色腫」「肝細胞がん」「肺がん」などは格段に改善している。

参考文献

1)Gettinger S, et al:Five-year follow-up of nivolumab in previously treated advanced non-small-cell lung cancer;results from the CA209-003 study. J Clin Oncol 36(17) : 1675-1684, 2018. PMID 29570421
2)Haratani K, et al:Association of immune-related adverse events with nivolumab efficacy in non-small-cell lung cancer. JAMA Oncol 4(3) : 374-378, 2018. PMID 28975219

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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