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文献詳細

雑誌文献

総合診療28巻9号

2018年09月発行

文献概要

特集 オンコ・ジェネラリスト—「がん」に強い総合診療医をめざして 【がん診療の進歩Q&A】

外来で「がんサバイバー」を診るポイントは?

著者: 高橋都12

所属機関: 1国立研究開発法人 国立がん研究センター 2がん対策情報センター がんサバイバーシップ支援部

ページ範囲:P.1265 - P.1268

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Case
総合診療医の助言によってがん診断後の“びっくり離職”を思いとどまった一例
患者:53歳、女性。小規模会社の正社員として事務業務を担当。
既往歴:軽度高血圧で、総合診療医を受診している。
現病歴:市の検診で乳がんとわかり、がん治療医から術前化学療法を勧められた。本人の衝撃は大きく、「自分ががんになるなんて」「抗がん剤を使うなら、働けないから会社は辞めるしかない」と話す。総合診療医は、「治療中も働いている人は大勢いる。支持療法も進歩しているので、今は大きな決断をせず、化学療法をまず1クール受けて体調の変化をみてから考えたらどうか」と助言した。結果的に、副作用がさほど強くなかったので、在職のまま術前化学療法を完遂できた。

参考文献

1)Takahashi M, et al : Cancer survivorship ; current status of research, care and policy in Japan. Jpn J Clin Oncol 46(7) : 599-604, 2016. PMID 27162321
2)Takahashi M, et al : Job resignation after cancer diagnosis among working survivors in Japan ; timing, reasons and change of information needs over time. Jpn J Clin Oncol 48(1) : 43-51, 2018. PMID 29036512

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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