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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻1号

2019年01月発行

文献概要

What's your diagnosis?[193]

四角が欠けたら難問題

著者: 北島平太1 大場雄一郎1

所属機関: 1大阪急性期・総合医療センター総合内科

ページ範囲:P.4 - P.8

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病歴
患者:47歳、女性。
主訴:発熱、嘔気・嘔吐、全身の痛み。
現病歴:13日前より左胸部と左大腿内側皮膚に疼痛が、10日前より左眼痛が出現した。7日前に疼痛が改善しないため近医を受診したところ、感冒と診断のうえ、解熱鎮痛薬が処方された。帰宅後より吃逆が出現した。6日前より左眼痛が増悪したため、近医救急外来を受診し、頭部CTを撮像するも明らかな異常所見を認めず帰宅となった。
 4日前より左胸部皮膚の疼痛が増悪し、近医救急外来を再受診するも、プレガバリンを処方され帰宅となった。3日前より嘔吐を認め、その後も疼痛が遷延し、歩くこともままならない日々を過ごしていた。
 1日前より39℃の発熱を認め、近医を再々受診するも、セフトリアキソンを投与され帰宅となった。原因精査目的に当科を紹介され、精査加療目的に入院となった。
ROS(review of sistems)陽性:発熱、全身倦怠感、食思不振、左眼の眼痛・視力低下、頭痛、吃逆、嚥下困難感、嘔気・嘔吐、便秘、左上腕・左胸部・両大腿の疼痛。
ROS陰性:脱力、眼脂、羞明、咳嗽、喀痰、腹痛、排尿時痛、排尿困難、頻尿、残尿感、関節痛。
既往歴:10歳時;虫垂炎。
アレルギー:なし。
内服薬:特記なし。
生活歴:ADL(activities of daily living)完全自立。喫煙;なし。飲酒;機会飲酒。家族歴;なし。渡航歴・曝露歴;特記なし。居住;夫、子ども2人と4人暮らし。

参考文献

1)Wingerchuk DM, et al:Revised diagnostic criteria for neuromyelitis optica. Neurology 66(10):1485-1489, 2006. PMID 16717206
2)日本神経学会(監):多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017. 医学書院,2017.
3)日本神経治療学会治療指針作成委員会(編):標準的神経治療:視神経脊髄炎(NMO).神経治療30(6):777-794, 2013.
4)Bonnan M, et al:Short delay to initiate plasma exchange is the strongest predictor of outcome in severe attacks of NMO spectrum disorders. J Neurosurg Psychiatry 89(4) : 346-351, 2018 PMID 29030418

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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