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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻11号

2019年11月発行

文献概要

特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編—見逃したくない疾患のコモンな所見 レアな疾患のコモンな所見集

まだ診断がつかない皮疹

著者: 副島裕太郎1

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属病院 血液・リウマチ・感染症内科

ページ範囲:P.1335 - P.1336

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CASE
患者:40歳台、女性。著患の指摘なし。
現病歴:3カ月前から、38℃前後の発熱と両膝関節の腫脹・疼痛がみられた。前医で「不明熱」として種々の検査が施行されたが診断がつかず、当院紹介となった。当院で撮影したPET-CTで両腋窩・腹腔内リンパ節腫脹とFDG(フルオロデオキシグルコース)集積があり、腋窩リンパ節生検を施行したが、悪性リンパ腫を示唆する所見はみられなかった。その後、39℃台の発熱および発熱時のみ目立つ瘙痒感に乏しい顔面・四肢の紅斑が出現したため、精査加療目的で当院入院となった。海外渡航歴や植物・動物との接触歴なし。
身体所見:呼吸数20回/分、脈拍数91回/分、血圧103/77mmHg、体温38.4℃、SpO2 98%(室内気)。結膜充血なし。両後頸部・顎下・腋窩リンパ節腫脹あり・圧痛なし。肝脾を触知する。両膝関節腫脹・圧痛あり。四肢・体幹に淡い紅斑あり(図1)。
検査所見:血液;WBC 9,100/μL(Neut 82.0%、Eos 1.5%、Lym 11.0%)、Hb 9.6g/dL、Plt 20×104/μL、ESR 63mm/時、AST 31U/L、ALT 8U/L、LDH 500U/L、フェリチン7,248ng/mL、sIL-2R 2,371U/mL、ANA・RF陰性、血液培養2セット陰性、EBV・CMV既感染パターン、HIV抗体陰性。
CT;多発リンパ節腫脹(頸部・腋窩・傍大動脈・骨盤内)と脾腫あり。

参考文献

1)Wakai K, et al : Estimated prevalence and incidence of adult Still's disease ; findings by a nationwide epidemiological survey in Japan. J Epidemiol 7(4) : 221-225, 1997. PMID 9465547
2)Yamaguchi M, et al : Preliminary criteria for classification of adult Still's disease. J Rheumatol 19(3) : 424-430, 1992. PMID 1578458
3)荒井美奈子,他:当科で経験した成人発症Still病15例の検討.日皮会誌117(14) : 2471-2478, 2007.
4)Affleck AG, et al : Adult-onset Still's disease with atypical cutaneous features. J Eur Acad Dermatol Venereol 19(3) : 360-363, 2005. PMID 15857467

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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