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特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編—見逃したくない疾患のコモンな所見 レアな疾患のコモンな所見集
島が白く光ってる…?
著者: 花井翔悟1
所属機関: 1藤田医科大学医学部 救急総合内科/医学部 感染症科
ページ範囲:P.1359 - P.1360
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患者:80歳台、男性
主訴:発熱、ふらつき
現病歴:受診4日前に嘔吐、2日前にふらつきが出現。近医でMRIを撮影し、右側頭葉内側面に虚血性変化を疑われていた。受診日に奇異な言動があり、39℃の発熱も認めたため、当院受診となった。
既往歴:関節リウマチで、メトトレキサートとトシリズマブを使用中。
身体所見:体温39.0℃、血圧160/80mmHg、脈拍数94回/分、SpO2 97%(室内気)。明らかな熱源を示唆する所見なし、神経学的異常所見なし。
検査所見:血算;異常なし、血液生化学;肝胆道系酵素 異常なし、腎機能 異常なし、Na 124mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 91mEq/L、浸透圧253mOsm/kgH2O、甲状腺機能 異常なし、副腎機能、異常なし、免疫血清学;CRP 0.01mg/dL。尿生化学;Na 128mEq/L、K 34mEq/L。
経過:血液検査で「低ナトリウム血症」を認め、精査加療目的で入院となった。3%塩化ナトリウム液で補正を行った。飲水過多の病歴はなく、意識障害を伴う発熱があったため、「中枢性塩喪失症候群」とその原因としての「髄膜炎」を疑い、血液培養採取のうえ抗菌薬を開始し、髄液検査を行った。髄液所見;22cmH2O、蛋白185mg/dL、糖64mg/dL(血糖102mg/dL)、細胞数81/μL、単核球69/μL、多核球12/μL。各種検査を提出、抗微生物薬治療を追加。2日後、造影MRIを撮影した(図1)。
患者:80歳台、男性
主訴:発熱、ふらつき
現病歴:受診4日前に嘔吐、2日前にふらつきが出現。近医でMRIを撮影し、右側頭葉内側面に虚血性変化を疑われていた。受診日に奇異な言動があり、39℃の発熱も認めたため、当院受診となった。
既往歴:関節リウマチで、メトトレキサートとトシリズマブを使用中。
身体所見:体温39.0℃、血圧160/80mmHg、脈拍数94回/分、SpO2 97%(室内気)。明らかな熱源を示唆する所見なし、神経学的異常所見なし。
検査所見:血算;異常なし、血液生化学;肝胆道系酵素 異常なし、腎機能 異常なし、Na 124mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 91mEq/L、浸透圧253mOsm/kgH2O、甲状腺機能 異常なし、副腎機能、異常なし、免疫血清学;CRP 0.01mg/dL。尿生化学;Na 128mEq/L、K 34mEq/L。
経過:血液検査で「低ナトリウム血症」を認め、精査加療目的で入院となった。3%塩化ナトリウム液で補正を行った。飲水過多の病歴はなく、意識障害を伴う発熱があったため、「中枢性塩喪失症候群」とその原因としての「髄膜炎」を疑い、血液培養採取のうえ抗菌薬を開始し、髄液検査を行った。髄液所見;22cmH2O、蛋白185mg/dL、糖64mg/dL(血糖102mg/dL)、細胞数81/μL、単核球69/μL、多核球12/μL。各種検査を提出、抗微生物薬治療を追加。2日後、造影MRIを撮影した(図1)。
参考文献
1)Chow FC, et al : Use of clinical and neuroimaging characteristics to distinguish temporal lobe herpes simplex encephalitis from its mimics. Clin Infect Dis 60(9) : 1377-1383, 2015. PMID 25637586
2)Rabinstein AA : Herpes virus encephalitis in adults ; current knowledge and old myths. Neurol Clin 35(4) : 695-705, . 2017. PMID 28962808
3)Hjalmarsson A, et al : Herpes simplex encephalitis in Sweden, 1990-2001 ; incidence, morbidity, and mortality. Clin Infect Dis 45(7) : 875-880, . 2007. PMID 17806053
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