icon fsr

文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻12号

2019年12月発行

文献概要

What's your diagnosis?[204]

美しい女性には気をつけろ!

著者: 岩崎雄太1 田口智朗1 石丸裕康1 八田和大1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院総合内科

ページ範囲:P.1438 - P.1442

文献購入ページに移動
患者:81歳、男性
主訴:首下がり
現病歴:来院6カ月前から尿の出が悪いことを自覚していた。来院1週間前から排尿困難感が増悪していたが、腹部膨満感は自覚していなかった。来院2日前にかかりつけ医を受診し、導尿を受けたところ400mLの残尿を認めたため、タムスロシンの内服を開始した。しかしながら、症状の改善には乏しかった。来院当日に昼寝から起き上がろうとすると、首が上がらず、呂律困難感、呼吸困難も自覚したため、救急要請し当院搬送となった。
ROS陽性:頻尿、残尿感(6カ月前より)、呼吸困難感(来院当日より)
ROS陰性:嚥下困難、複視、四肢の痺れ、症状の日内変動
既往歴:小学生時に肺結核(詳細不明)、11年前に狭心症(経皮的冠動脈形成術後)、10年前より上室性頻拍症、その他高血圧
薬剤歴:
●アスピリン100mg 1錠1日1回
●ランソプラゾール15mg 1錠1日1回
●テルミサルタン40mg 1錠1日1回
●シベンゾリン100mg 1錠1日2回(6カ月前より)
●タムスロシン0.2mg 1錠1日1回(2日前より)
生活歴:次女と2人暮らし。ADLは症状発症前まで完全自立。
職業歴:自営業で塗装業を営んでいた。現在は退職し無職。
喫煙歴:20本/日×50年(11年前に禁煙)
飲酒歴:ビール350mL/日程度

参考文献

1)大塚実:コハク酸シベンゾリンのTDM, その治療血漿中濃度の基準について.Pharm Med 14 : 155-165, 1996 〈シベンゾリンの有効血中濃度について書かれている〉
2)Joseph W, et al : Effect of renal impairment on the pharmacokinetics of cibenzoline. Clin Pharmacol Ther 43 : 317-323, 1988. PMID 3345622 〈腎不全患者におけるシベンゾリンの薬物動態について〉
3)Nakagawa Y, et al : A case of myasthenia-like symptoms induced by cibenzoline overdosage. Clinica Neurol 58 : 41-44, 2018. PMID 29269691 〈シベンゾリン中毒による重症筋無力症様の副作用を呈した症例報告〉
4)Swash M, et al : Adverse effect of verapamil in myasthenia gravis. Muscle Nerve 15(3) : 396-398, 1992. PMID 1557089 〈ベラパミルによって重症筋無力症様の副作用を呈した症例報告〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?