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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻12号

2019年12月発行

文献概要

特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療 【認知症診療step by step】

認知症診断の流れ—「treatable dementiaはこう見抜く!」

著者: 古田光1

所属機関: 1東京都健康長寿医療センター精神科

ページ範囲:P.1451 - P.1455

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Case
急速に認知症状態を呈した1例
患者:80歳、女性。
既往歴:高血圧症、洞不全症候群に対し、ペースメーカー植え込み術後。
現病歴:夫と2人暮らしで、これまで年齢なりの物忘れはあったが、認知症は疑われていなかった。夫が入院し独居となった5日後、居住するマンションで自室がわからず、他住民に連れ帰ってもらった。夜中に物を出したりしまったりと落ち着かず、嫁の悪口や「死にたい」と言ったりし、食事をあまりとれないため、かかりつけ医院で点滴を受けた。認知機能が低下した状態が続くため、認知症の疑いでドネペジルの投与が開始され、少し良くなったような印象があった。調子を崩してから3週後に当院物忘れ外来を初診し、頭部CTを施行したところ、右中大脳動脈〜後大脳動脈支配領域に広範な亜急性の脳梗塞を認めた。

参考文献

1)新井平伊:認知症の診断.日本認知症学会(編):認知症テキストブック.pp159-160, 中外医学社,2008.
2)日本神経学会(監),「認知症疾患診療ガイドライン」作成委員会(編):認知症疾患診療ガイドライン2017.医学書院,2017. https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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