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文献詳細

雑誌文献

総合診療29巻12号

2019年12月発行

文献概要

特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療 【認知症診療case by case】

Lewy小体型認知症

著者: 高橋晶12

所属機関: 1筑波大学 医学医療系 災害地域精神医学 2茨城県立こころの医療センター 地域・災害支援部

ページ範囲:P.1477 - P.1481

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Case
総合診療科にコンサルトされたLewy小体型認知症(DLB)の1例(DLBの初期症状+肺炎例)
患者:70代、男性。
家族歴:特になし。
既往歴:うつ病の既往。
現病歴:1年前からうつ症状があり、近医精神科を受診した。そこでうつ病と診断され、抗うつ薬を処方されたが、反応が良くなく、抗うつ薬が増えていった。希死念慮も出現し、2週間前から精神科病院に入院となった。抗うつ薬の種類が増え、また増量された。適量が処方されていたが、それにもかかわらず嚥下障害が強くなり、誤嚥性肺炎を繰り返して悪化し、精神科での対処が難しくなったため、一般病院の総合診療科に転院となった。胸部X線検査などからも重症肺炎を呈し、一時は生命の危機がある状態になったが、抗菌薬静注で徐々に回復した。

参考文献

1)McKeith IG, et al : Diagnosis and management of dementia with Lewy bodies ; fourth consensus report of the DLB Consortium. Neurology 89(1) : 88-100, 2017. PMID 28592453 〈最新のDLBの臨床診断基準である〉
2)水上 勝義:DLBとうつ状態.精神神経学雑誌 114(3) : 289-296, 2012. 〈DLBとうつ状態、老年期うつ病との類似点が記載されている〉
3)Mizukami K, et al : Decreased ventilatory response to hypercapnia in dementia with Lewy bodies. Ann Neurol 65(5) : 614-617, 2009. 〈DLBの呼吸器系自律神経障害の研究が記されている〉
4)高橋晶,他:初期像の臨床的特徴からレビー小体型認知症(DLB)の前駆症状,初期症状(アルツハイマー型認知症の諸問題を再考する)…(トラックセッション 認知症の早期診断を多角的に考える).老年精神医学雑誌 22(増刊-1) : 60-64, 2011. 〈DLBの前駆症状、初期症状に対する研究が行われている〉
5)朝田隆(編著):軽度認知障害(MCI)—認知症に先手を打つ.中外医学社,2007. 〈DLBでは初期にはさまざまな精神疾患に間違えられる可能性が示されている〉
6)Jicha GA, et al : Prodromal clinical manifestations of neuropathologically confirmed Lewy body disease. Neurobiol Aging. 2008. 〈DLBとADとの初期の症状の差を示した〉

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:2188-806X

印刷版ISSN:2188-8051

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