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特集 困っている“あなた”に届く 認知症診療 【認知症診療case by case】
[ミニコラム(患者体験)]医師も患者も、もっと楽になるために
著者: 樋口直美
所属機関:
ページ範囲:P.1482 - P.1484
文献購入ページに移動◦「うつ病」治療で失われた6年間
私は41歳の時、不眠で精神科を受診。「うつ病」と診断された(その数年前に人の幻視が度々あったが、目の錯覚と認識)。「症状が違う」と伝えたが、「仮面うつ病」と説明された。服薬と同時に朦朧とし、認知症検査を希望したが否定された。薬の種類と量が増え、劇的に悪化。手足の震え、失神なども出て、仕事を退職。薬を変え減量すると、いくつかの症状は改善したが、薬物治療は6年弱続き、記憶障害などの副作用に苦しんだ。途中、音楽幻聴を伝えたが、取り合われなかった。「薬を止めたい」と毎年交代する主治医に伝え、同じ総合病院の7人目の主治医が初めて同意。薬を中止すると、回復した。
私は41歳の時、不眠で精神科を受診。「うつ病」と診断された(その数年前に人の幻視が度々あったが、目の錯覚と認識)。「症状が違う」と伝えたが、「仮面うつ病」と説明された。服薬と同時に朦朧とし、認知症検査を希望したが否定された。薬の種類と量が増え、劇的に悪化。手足の震え、失神なども出て、仕事を退職。薬を変え減量すると、いくつかの症状は改善したが、薬物治療は6年弱続き、記憶障害などの副作用に苦しんだ。途中、音楽幻聴を伝えたが、取り合われなかった。「薬を止めたい」と毎年交代する主治医に伝え、同じ総合病院の7人目の主治医が初めて同意。薬を中止すると、回復した。
参考文献
1)高橋晶,他:レビー小体型認知症(DLB)の前駆症状,初期症状.老年精神医学雑誌22(増刊-1)60-64, 2011.
2)小田陽彦:血管性認知症,レビー小体型認知症,前頭側頭葉変性症.臨床と研究95(3) : 238-244, 2018.
3)東京都健康長寿医療センター:本人にとってのよりよい暮らしガイド—一足先に認知症になった私たちからあなたへ.
4)本人座談会—語り合う「私と認知症」.2017. 〈認知症の理解を深める普及・啓発キャンペーンDVD〉
5)もしも 気になるようでしたらお読みください.東北福祉会認知症介護研究・研修仙台センター.2018.
6)中井久夫:こんなとき私はどうしてきたか.医学書院,2007.
7)内海久美子,他:レビー小体型認知症の初発症状と関連症状の発現率・性差,および前駆段階との関連—脳血流SPECT・MIBG心筋シンチ・DaTスキャンシンチ検査と症状の関連性を通して.老年精神医学雑誌28(2) : 173-186, 2017. 〈DLBへの画像検査の精度は,DaT 81.9%,SPECT 76.4%,MIBG 69.2%.3つとも陽性だった患者12.5%.初期の患者に限ると,DaT 50.0%,SPECT 56.3%,MIBG 56.3%〉
8)David Snowdon. 2002/藤井留美(訳):100歳の美しい脳 普及版—アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち.DHC,2004.
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